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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

歌占さらにつづき

シテにツレの男が声をかけます。彼方はいったい何處から来た人なのか、見れば若いのにどうして白髪になったのか、などと問いかけます。
ツレは武田宗典さん、4月の花影会では石橋の赤を拝見しています。

シテはツレの問いに答えて、自分は伊勢の国二見浦の神職だが諸国一見の旅に出たところ、あるとき俄に頓死してしまった。三日のうちに生き返ったが、その折白髪になってしまったと語ります。

ツレは納得して歌占を引くことにします。
シテが正中で床几に座し、一番に手に当たった短冊の歌を読み上げるようにと言い、ツレは弓弦に付けられた短冊の右から二つ目を見て「北は黄に 南は青く東白 西紅の染色の山」と短冊の歌を読み上げて、立ち上がって下がり改めて下居。
シテは、この歌は須弥山を詠んだもので、父のことをお尋ねだろうと断じます。
ツレは親が病気となり、生死の境にあると答えます。

そしてシテが、委しく判じて聞かせようと言って占いを語るのですが、以前の鑑賞記にも書いたとおり、これがたいへんに難しい内容です。昔の人でも、これを耳で聞いて分かったのか、どうも疑問に感じるところですが、立て板に水のごとくこの難解な占いの文言をシテが語ることによって、歌占の神秘さ、不思議な世界が沸き立ってくるような気がします。実際この日の坂口さんの謡も、シテがただならぬ力を持った人物と感じさせるものでした。
須弥山をめぐる世界観については、若い頃に講談社現代新書の「須弥山と極楽」という本を読んだのが印象に残っています。既に絶版になっている様子ですが、これもまた書いておきたいことの一つではあります。また占いの冒頭、シテの詞章に「今度の所労」とありますが、喜多流と金剛流はこれを「金土の初爻」とします。この違いについて、粟谷明生さんが興味深い話を書いておられます。こちらにも触れたいのですが、これを書き出すと、しばらく舞台の様子に戻ってこられそうにないので、まずは舞台に戻り、鑑賞記の後に再びこの点に触れようと思います。

さて長い占いの言葉の後、シテはツレの父親の病状について、病は命に関わるものだが蘇生するであろうから頼もしく思うようにと告げます。
ツレはこの占いに喜びますが、さてこのつづきはまた明日に
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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