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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

歌占またまたのつづき

クセの冒頭部分は床几に座したまま聞く形ですが「指を折って 故人を數ふれば」で左の手を上げて数える型。下ろすと「今なんぞ」で立ち上がってサシ込み開キ。「誰かまた常ならん」で打込、扇広げて前に出して上げ端。
「三界無安猶如火宅」と謡って上扇。地謡で大左右と曲舞の基本的な形を舞います。

謡は斬鎚(ざんすい)地獄、剱樹(けんじゅ)地獄、石割(せっかつ)地獄、火盆(かぼん)地獄、焦熱大焦熱、紅蓮大紅蓮と地獄を数え上げ、その苦しみの様を謡います。二段グセの形でシテは「飢えては 鉄丸を呑み」と謡い、さらに舞いますが「かやうに苦をば受くるなり月の夕べの浮雲は 後の世乃迷ひなるべし」の謡に、抱え扇して月を見上げる形を見せてクセを舞上げ、一セイ「後の世の 闇をば何と 照らすらん」と謡って正先へ出て開キます。

地獄の曲舞は、地獄の苦しみを謡う訳ですが、「須弥山と極楽」という本にも地獄の記載があります。ただし倶舎論に書かれる八大地獄は等活・黒縄・衆合・叫喚・大叫喚・焦熱・大焦熱で斬鎚地獄や剱樹地獄などというのは八大地獄には含まれていません。時代が下るほどに、地獄の描写も様々になってきた様子です。
能の舞ですから、それぞれの描写に合わせた具体的な所作を見せるわけでもなく、抽象的な曲舞の型を基本に舞うわけですが、それでいて詞章と舞の端々からイメージが湧き上がってくるところが能の面白さかも知れません。

シテの一セイを大ノリの地謡が受け「胸の鏡よ心濁すな 心濁すな」と謡うのを聞いて立廻。橋掛りへと入ります。
一ノ松に立って「あら悲しや只今参りて候に これ程はなどやお責めあるぞ」と言い「あら悲しやあら悲しや」と謡いつつ片シオリです。
ツレは「神気とて面色変わりさもうつつなきその有様」とシテの様子が急変したことを謡い、シテ・ツレ掛け合いでの謡から地謡へ。
この途中「雪を散らせる如くにて「天に叫び「地に倒れて・・・からは歌占のキリの仕舞とされるところですが、仕舞としてもたいへんに好きな部分です。
・・・が、ここはメモがありません。立廻の後はひたすら舞台に引き込まれて、もはやメモをとるような余裕もありませんでした。
本当に、能を観る楽しみを再確認した一曲でした。

舞台の様子は以上ですが、明日から歌占をきっかけとして、安田さんと内田さんの本の話、須弥山と極楽の話などを、少しばかり書き連ねてみようかと思います
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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