能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

歌占を廻って

終曲までとりあえず舞台の様子を書き終えましたので、観能記の初日に書いた通りに安田さんと内田さんの対談や、須弥山と極楽など、歌占をめぐって思いつくままに書き留めておこうと思います。
と言いながら、今回の舞台について少しだけ戻りまして・・・。

今回の観能は先日書いた通り(先日の記事)会社のイベントを能楽鑑賞に振り向けたものです。
終演後、初めて能を見たという人から歌占のシテが素晴らしいというコメントをもらった話も書きました。この話をもう少し詳しく書くと、この方はミュージカルなどは割合よく見ているそうですが、坂口さんの体の動きや発声、醸し出す雰囲気にいたく感動したそうで「二番目の能のメインの人、スゴイですよね」という発言になったということです。
実際、スッと片足で立って微動だにしない型も何度かあり、私も、謡・舞の表現力とともに並々ならぬ身体能力の高さを感じました。こういう素晴らしい芸を観ることができるのは、舞台に出かける大きな楽しみです。

しかしながら、生きている人間は常に変化しています。坂口さんはこれからもこうした素晴らしい舞台を見せてくださるでしょうけれども、それでもいつか体にも変化が訪れるでしょう。そうした変化の中で、坂口さんがどのように芸を変化させていくのか、これまた大変に楽しみです。
私自身の年齢からいって、坂口さんが老境を迎えられる姿を拝見することはできませんが、世阿弥の言う「まことの花」をきっと咲かせる方なのだろうと、秘かに期待しています。

一言のつもりが長くなってしまいましたので、歌占をめぐってのあれこれは明日から書いていこうと思います。ですが、特に歌占の占いの言葉は「須弥山と極楽」という本を思い出すきっかけにもなり、粟谷明生さんが書かれた話もこれをめぐってのことですので、参考までに観世流大成版をもとに占いの部分の詞章を記載しておきます。大成版のフリガナ、用字そのままに記載しますので、表示されない文字がある場合はご容赦ください。

心得申し候。委しう判じて聞かせ申さう。
それ今度の所勞を尋ぬるに。邊涯(へんがい)一片(いっぺん)の風より起つて。水金(すいこん)二輪(にりん)の重結(ちょうけつ)に顕る。それ須彌ハ金輪より長じて。その丈十六萬由旬の勢ひ。四州常樂の波に浮かみ。金銀碧瑠璃玻球迦寶の影。五重色空の雲に映る。されば須彌の影映るに因つて。南瞻部州の草木緑なりと云へり。さてこそ南ハ青しとは詠みたれ。こゝに又父の恩乃髙き事。高山千丈の雲も及び難し。されば父ハ山。染色(そめいろ)とハ風病の身色(しんしき)。しかも生老病死の次第を取れば。西紅(にしくれない)と見えたるは。命期(めいご)六爻(りっこう)の滅色(めつしき)なれば。あうこれハ既に難義の所労なれども。こゝに又染色とハ。聲を借りたる彩りにて。文字にハ蘇命路なり。蘇る命の路と書きたれば。眞に命期の路なれども。また蘇命路に却来して。二度(ふたたび)こゝに蘇生の壽命の。種となるべき歌占の言葉。たのもしく思し召され候へ。
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