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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

歌占を廻ってのさらにつづき

ツレの問いの答えて、委しく判じて聞かせようと言ったシテは「それ今度の所労を尋ぬるに」と語り出します。
「今度の所労」は、この度の病気くらいの意味ですが、先日書いたように、喜多流と金剛流はここを「金土の初爻」と謡います。

喜多流の粟谷明生さんが、粟谷能の会のサイトに歌占の演能レポートを掲載されているのですが、この中で・・・「金土」は“金剛に覆われた聖なる国”とか“須弥山の世界”の意で「初爻」は占いの初めを意味し、「西方金剛界におられる諸仏にお目通りを願って、占いの第一からいいますと」というような、巫の常套句ではないかと考えられます。雄大な宇宙観のもとに占いを始めるという、武士好みの凝った言葉の選択には、喜多流の神髄が現れているようです。・・・と書いておられます。
確かにそういう解釈をすると、占いがより重々しく感じられるような気がします。

ところで、初爻の「爻」ですが、易占では六本の算木を使い、筮竹を数えて陰陽を定めて算木を置きます。算木を三本重ねると、陰陽の組み合わせは八通り、当たるも八卦当たらぬも八卦の八卦です。さらに三本を重ね六十四掛で万象を表し吉凶を占う訳ですが、この算木六本が表す陰陽を、下から順に初爻、二爻、三爻、四爻、五爻、上爻と言い、初爻が一番下、最初の爻になります。と言うわけで占いの初めということですね。
金土にそういう意味があるのか不案内ですが、巫が雄大な宇宙観を持って占いを始める常套句という解釈は、なるほどと思うところです。

さて占いの方は続いて水輪と金輪が重なり、その金輪から十六万由旬の須弥山が立ち上がって、四洲がその回りを囲んでいると続きます。実は「須弥山と極楽」に拠れば、金輪上には八万由旬の深さで水が湛えられており、須弥山も八万由旬は水の中、水上には八万由旬の高さで聳えるとあります。半分は水の中ということです。

さてその須弥山のまわりには四つの州が浮かんでおり、須弥山の宝の影が映っている。南の瞻部州の草木はこの故に緑であり、歌には「南は青し」と詠まれているわけです。
父の恩は山の高さにも喩えられることから「父は山」。染色は風病に罹ったときの体色のこと、と続きます。占いの最初のあたりにも「辺涯一片の風より起こって」とありますが、ツレの父親は風病(ふうびょう)の様子です。
長くなりそうなので、このつづきはまた明日に
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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