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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

歌占を廻ってのさらにさらにつづき

古来、中国の医療では、病の原因として、風、寒、暑、湿、燥、火の六つをあげます。
これらは、本来の正常な状態では人体に対して無害で「六気」と呼ばれますが、これが異常な状態になると、六淫となって病を引き起こすと考えられています。
六淫の邪気が入ると、抵抗力の落ちている者は発症してしまうのですが、中でも風の邪気は、他の邪気とも相俟って様々な病の原因になる・・・風邪は万病のもとというわけです。

日本でも、古くは多くの病が風淫のためと考えられていて、脳卒中などによる麻痺を中風(風に中…あたる)と呼んだり、破傷風という名前があったりなど、現在の風邪よりはずっと広い範囲で風の病、風病(ふうびょう)を捉えていたようです。
ただし、ものの本を読むと、鎌倉時代には既に、いわゆる感冒の類と中風の類は別物と考えられていたという説もあり、この曲での「風の病」が具体的に何を指すのかは不明です。ちなみに謡曲「土蜘蛛」では、源頼光が風病に罹っており、侍女の胡蝶が「風のこゝちを尋ねん」と謡いますね。

さて話は戻って、風病のツレの父親ですが、「西紅」は命期六爻の滅色。西方は日の沈む方角で紅は入日の色です。六爻は先の易占に従って言えば上爻で、登りつめた一番上。人生でいえば最期の時期でしょう。それが紅、滅色なのですから命も尽きようかという状況です。しかしここで歌には「染色の山」とあり、染色は音を借りたもので文字に書けば蘇命路。蘇る命の路であり、ふたたび生き返って寿命が続くという言葉。頼もしく思いなさい。と、シテの語る占いの言葉は、このような意味と思われます。

しかし、この占いの言葉を聞いて分かるのかという点ですが、それは室町時代や戦国、江戸時代の人でも、そりゃあおおかた無理だったろうと思うのです。

さてそこで安田登さんと内田樹さんの対談本『変調「日本の古典」講義』です。この中で安田さんが『「分からない」という理解の仕方』という話をしています。
この話を明日、書いてみようと思います。
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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