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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

柏崎のつづき

舞台は出し置きでシテが登場し、地謡座の前に床几を置き、ちょうど目付柱を向いた形で腰を下ろします。
囃子方、地謡一同が着座すると間もなく「お幕」の声が聞こえ、、無紅唐織着流しのシテが橋掛りを歩み出したので、一瞬「おや」と思ったのですが、そうそうこの曲はシテの出し置きだったと思いだした次第です。
出し置きは、後々登場するワキなり、シテなりを待ち受ける役者が、舞台上に先に出ている形で、作り物が出されるのと同様、準備中のような扱いです。とは言え役者の登場ですから、その役なりの「位」を表しての歩みという事になりましょう。

なかでもシテが出し置きで出るのは極めて珍しい形で、柏崎も下掛では出し置きにせず、先にワキが登場して案内を乞い、シテが登場する形と聞いています。

ともかくもシテが着座すると、はじめて囃子方も床几を用意し次第を奏し始めます。
ワキの出、白大口に掛素袍、守袋を首から掛け、男笠を被っての登場です。一ノ松で止まって一度正面を向き、あらためて斜め後ろを向いて次第。地取りで笠を外して正を向き名ノリ。越後柏崎殿の御内、小太郎と名乗り、鎌倉にいた柏崎殿が病で亡くなり、御子の花若殿は御遁世されてしまった。そこで形見を持って柏崎に下るところと述べます。

再度笠を被ると道行。碓井の峠を越えて、と歩み出して舞台に入り、越後に早く着きにけりと常座に出て笠を外します。碓氷峠を越える道は、古くは鎌倉街道と言われた道の一つで、鎌倉を発ち武蔵から上州を抜けて信濃に到り、善光寺辺りを通過して越後に到る道と思われます。鎌倉街道といわれる道は様々にあって必ずしも明らかではありませんが、この道筋もそうした内の一つだろうと思われます。
なお、観世の本では、ワキは柏崎に着いたと述べた後、直ぐに案内を乞いますが、下掛宝生流では「あら笑止や 人一人御座候はねば さながら茅屋となりて候ハ如何に」とあって、柏崎殿の屋敷が荒れ果てていることに驚く様子が演じられます。

ワキは案内を申そうと言って橋掛りへ戻り、一ノ松から案内を乞います。この声にシテは殿のお帰りかと期待を込めますが、ワキは「小太郎が参りて候」と常座に出て両手突いて黙ってしまいます。なぜ物を云わないのだと問うシテとワキの問答となり、柏崎殿が亡くなり、息子の花若殿も遁世してしまったことを伝えます。
ロンギとなり、シテが柏崎殿の最期の様子を問い、ワキが応える形で進みます。ワキは下居して扇を広げ首から守袋を外して扇に乗せると、形見を御覧になるようにと言いつつ立ち上がってシテに寄り、形見を渡します。シテは形見に涙し、ワキはさらに花若殿の文があるとシテによって文を渡します。
さてこのつづきはまた明日に
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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