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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

それで観世の枕慈童は・・・

舞台は昨日までに記載した通りでしたが、楽が盤渉であったのは小書のためとして、その後は薬の水を詰めた壺を勅使に捧げ、長寿を祝福する曲に仕上がっています。

菊慈童も詞章には「慈童が七百歳を我が君に授け置き」とありますが、このあたりを具体的な薬水の瓶に示し、長寿を象徴させたあたりが工夫なのでしょう。
一方で、妙文とされる二句の偈自体は枕慈童には出てきません。

菊慈童で謡われる二句の偈は「具一切功徳慈眼視衆生 福寿海無量是故応頂礼」。妙法蓮華経観世音菩薩普門品第二十五の偈、いわゆる観音経の最後の部分です。
そう言えば1976年に日本で最初の五つ子として誕生した、山下さんの家の五人兄弟に、当時100歳だった清水寺の大西良慶貫主が、この「福寿海無量」と「観音妙智力」から一文字ずつとって名前を付けたことが有名になりました。
この大事な妙文を、観世の枕慈童では省略しているのですが、この辺りはどういう考えだったのか、不思議なところです。

いずれにしても、妙文を菊の葉に水で書き、その葉を流れに浮かすと、流れの水が薬水となった。その薬水を帝に捧げるという、薬の水を真ん中においた形で一曲を整理したようです。
それだけ、慈童の不思議よりも、祝言の意味の方が強くなったように思えます。

今となっては、観世元章の改編の意図を確かめるすべもありませんが、枕慈童が当時の正規曲に含まれず「別の部」28曲に含まれていたために、こうした形で残されたことは、ある意味幸運だったと思います。

そして肝心なことですが、シテの柴田さん、とても良い印象の舞台でした。
実はずっと以前に柴田さんの能を観て、いささか気になるところがあり、ついつい遠ざかっていたのですが、あらためて良い印象を持ちました。
また機会があれば拝見してみようと思います。

この項、終わり
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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