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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

佛原・・・さらにつづき

中入りの後、アイの語りがあります。
三番目物らしいノーマルな展開ですね。


ワキの待謡に引かれるように後シテの出。一声で出てサシを謡います。
白拍子の姿ということで、緋の長袴に白地の長絹、風折烏帽子を着け、太刀をいた姿での登場。優美な雰囲気を醸し出します。
観世流では緋の大口が標準的な装束附けと思いますが、長袴に太刀をくというのは、より白拍子の姿を強調したということでしょうね。


後シテは登場すると短い謡の後序ノ舞に入ります。
ゆったりと昔をよみがえらすような舞。さすがに間もなく80歳になられる遠藤さんなので、流れるような動きという訳ではありませんが、一つ一つの型が美しい形にきまる感じです。
序ノ舞を舞上げて大ノリでの地謡との掛け合い、そして平ノリに替わって留める形。
後場も物語的にはさしたる盛り上がりはありませんので、序ノ舞を見せるのが最大のポイントということでしょう。


せっかく物語性のあるテーマを置いている割には、盛り上がりの少ない曲ですが、序ノ舞の美しさ、白拍子の儚さが出せればそれで良しということかもしれません。
ある意味で教科書的な感じで、三番目はこのような作り方というのにキチンと沿った能ですし、謡も聞いてみるとなかなかに深みのあるものですが、その割には面白さというのが、いささか欠ける感があります。
どうも佛御前という名前自体が大変に暗示的なので、逆に上手く物語を作れていない感じもしますね。
(90分:当日の上演時間を5分単位程度で記しておきます)

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