FC2ブログ

能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

放下僧またまたつづき

鞨鼓を付けたシテは大小前に出て謡い出します。地謡と交互に謡い、地謡の「柳は緑花は紅なる その色々を現せり」に扇を広げてユウケン。クセになります。
クセのはじめはじっと立って謡を聞く形。この間にアイが切戸口からそっと退場します。このクセの謡がまた難解。一つ一つの言葉が理解できないわけではないのですが、何を言いたいのかさっぱりわからない。参考までに半魚文庫さんの謡曲三百五十番から、この部分を掲載してみます。

クセ「青陽の春の朝には。谷の戸出づる鴬の。凍れる涙とけそめて。雪消の水の泡沫に。相宿する蛙の声。聞けば心のある物を。目に見ぬ秋を風に聞き荻の葉そよぐ古里の。田面に落つる雁鳴きて。稲葉の雲の夕時雨。妻恋ひかぬる小牡鹿の。たゝずむ月を山に見て。指を忘るゝおもひあり。シテ「うらの湊の釣舟は。地「魚を得て筌を捨つ。これを見れかれを聞く時は。嶺の嵐や谷の声。夕の煙朝がすみ。皆三界唯心の。ことわりなりと思しめし。心を悟り給へや。

シテはこの謡に合わせ曲舞を舞いますが、舞い終えると一セイ「月の爲には浮雲の。と謡いつつ正面向いて扇を閉じ胸元に入れ、撥を持つと常座で鞨鼓の舞出しになります。

小気味よく常座で鞨鼓を舞上げると撥を右手にまとめて持ち「面白の花の都や」と小歌の謡い出し。小歌は室町時代の俗謡を取り入れたとされる部分で、本曲のほか花月などにもあります。本曲の小歌は京の名所尽くしになっていて調子も良く、演能以外でも好んで謡われたようです。狂言「寝音曲」でも、大蔵流ではこの小歌を謡いますし、地歌にも取り入れられている様子です。

中所さんのお知らせには「この小歌は・・・実は裏に大変卑猥な内容を隠しており、それに気がついた仇が思わず笑い転げてしまいます」とあります。が、さてどの辺りが卑猥なのかは置くとして、この小歌の途中「げにまこと 忘れたりとよ」辺りでワキは笠を残して切戸から退場してしまいます。

小歌を舞い終えたシテは、ツレともども「さのみは何と褁むべき」と謡いつつ、小刀を構えてワキ座に寄り、二人して笠に斬りつけて敵を討った態。キリの謡に、シテが常座で留拍子を踏んで終曲となりました。
(61分:当日の上演時間をおおよそで記しておきます)
*** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** ***
このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
関連記事
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://zagzag.blog72.fc2.com/tb.php/2443-2ea3f670

 | HOME | 

カレンダー

« | 2018-11 | »
S M T W T F S
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

月ごとに

カテゴリー

カウンター


最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

プロフィールなど

ZAGZAG

頑張らない、をモットーに淡々と行こうと思っています。

FC2Ad