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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

輪蔵をめぐって

そもそも輪蔵というのは何でしょうか。
これはお寺などに設けられている経蔵の一種ですが、回転式になっていまして、八角形の各面に書架がありここに大蔵経を収納します。さらに、これが輪蔵のミソですが、回転式の経蔵を一回り回転させると経典全巻を読誦したのと同じご利益があるということになっています。

西暦五百年頃、中国南朝の梁に居た傅大士という仏教者が考案したと言われていますが、日本でも少なからぬ寺社に設けられていまして、長谷寺や日光東照宮などが有名です。偶々先日は成田山新勝寺にお参りしましたが、こちらにも一切経蔵…輪蔵があり、写真を撮ってきましたので掲載しておきます。輪蔵には併せて傅大士の像も置かれるようで、普成、普建の二子とともに三尊像の形で祀られています。
輪蔵 傅大士像
説明書き

本曲の舞台、北野天満宮境内にも足利義満により北野経王堂願成就寺が建てられ、一切経が収められていましたが、1671年に廃寺となって一切経は近くの大報恩寺に移されました。経王堂願成就寺は規模を縮小して再建され、輪蔵も置かれていたようですが、幕末に行方不明となり十数年前に愛媛県で発見されたとの報道があり、ご記憶の方もおいでかと思います。

当日の演能に先だって作家の林望さんのお話がありました。
この輪蔵という能は観世弥次郎長俊が16世紀初頭頃に作ったといわれています。林先生によると、それから遡ること数十年前に二度にわたって北野天満宮が火事に遭い、多くの堂宇が焼失した中で、輪蔵は焼けずに残ったそうです。このため納められた大蔵経の功徳かと多くの信仰を集めた様子で、その輪蔵を舞台上で見せようという趣旨もあり、この能が作られたのではないかと話されていました。
ツレは十二天のうち「火天」として現れますが、それもこの火事からの着想ではないか、とも言っておられました。

最近起こった大事件を舞台に載せるというのは、歌舞伎の忠臣蔵などにもみられることですが、能にも、世阿弥の求めた古典に題材を得た曲だけでなく、こうした曲も多々あったのだろうと想像します。なにぶん現行の二百数十曲以外にも、二千曲を超える能が作られたといわれていますし・・・
この項終わり
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