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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

鉄輪のつづき

夢見が悪いというワキツレに、女の恨みのため今夜のうちにも命を落とすかも知れないとワキ清明が答えます。ワキツレはなにとぞ祈念して欲しいと頼み、ワキはこれを受けて舞台へと向かいます。ワキツレが幕に入るとワキはいったん後見座でクツロギ、一畳台が運ばれてきます。

一畳台が正先に出され、さらに棚が出されて一畳台の先、階側に置かれます。この棚、流儀や家々によって様々な様子で、謡には三重の高棚とあるのですが、金剛流は二段棚の様子。上の段には四隅に幣が立てられているのですが、見所から見て右前と左後ろは表裏が紅白のもの、左前と右後ろは黄青になっています。

ワキは「謹上再拝」と幣振って謡い、幣を右の膝に立てると「夫れ天開け地固りしよりこのかた」と祈りの言葉を謡います。
地謡となり「神鳴り稲妻頻りにみちみち」の謡に、ワキは腰を浮かせてワキ正側を見込んで幣を構えます。「身の毛よだちておそろしや」で正に直し幣を右膝に立てると出端に。ヒシギを聞いてワキは笛座前へと移ります。

後ジテは金地に朱の鱗文様の摺箔に縫箔を腰巻、頭に鉄輪をいただき、右の手には打ち杖を持って出、一ノ松で正向いてヒラキ謡い出します。
「恋の身の浮かぶことなき加茂川に」と謡いつつ面を伏せて地謡に。「沈みしは水の青き鬼」の謡に右の手を上げヒラキ、シテ、地謡と交互に謡いつつ、謡に合わせた所作、舞が続きます。
いつぞやも書きましたが、こうした曲では後場でワキが調伏の祈りをし、シテと舞働などで闘う形になる場合が多いのですが、この鉄輪ではワキはシテの登場に先だって笛座前に下がったままでシテと交わりません。ひたすらシテの一人芝居が続き、ワキはそれを観るだけの形です。これがまた本曲の特徴的なところと思います。

さて棚の人形を見込み恨みを募らせるシテは、シカケヒラキ、六つ拍子を踏んだりなどの末に「いでいで命を取らん」と人形を見込んで棚により、台上で打杖を上げて、棚に置かれた髪を手に巻き打つ形。さらに「ことさら恨めしき」とシオリ、男の命を取ろうと台を降り、大小前から改めて台に寄りますが、清明の下ろした三十番神に妨げられて寄ることが出来ず「力もたよたよと 足弱車の」と回りつつ下がり、打杖を扇に換えてサシ角へ。さらに大小前から橋掛りへと進み「目に見えぬ鬼とぞなりにける」の謡に、二ノ松で拍子踏んで下居、改めて立って留拍子を踏み終曲となりました。

なお上掛の本では、最後「姿は目に見えぬ鬼とぞなりにける 目に見える鬼となりにけり」と章句を繰り返す形ですが、下掛は「姿は目に見えぬ鬼とぞなりにける」で留となるようです。
(59分:当日の上演時間をおおよそで記しておきます)
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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