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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

石神さらにつづき

シテの用意が調うと、妻が立ち出でて舞台に入り、夜叉神にやって来たと言って、まずは拝を致そうと正中に座して扇を広げ合掌します。
夫がどうしようもない男なので里へ帰ろうと思うが、里へ帰るべきなら上がる、今の男と添い続けるべきなら上がらないと決め、小歌節で祈りつつシテに寄って「上がらせられい」と持ち上げようとします。しかしシテが力を入れてこらえているため、どうしても持ち上がりません。

妻は、あの男と添い続けなければならないのかと泣きますが、どうにも我慢できぬ様子で、もう一度占ってみることにします。二度占ってはならないのだが、などと言いながら、今度は里に帰るべきなら上がらない、添い続けるべきなら上がると決めてシテに寄り、持ち上げようとするとシテが自ら立ち上がり簡単に上がってしまいます。

二度までも添い続けるべきという占いになってしまい、妻はあきらめて家に戻ることにします。それにつけ神にご苦労をかけてしまったので、自分は巫女の子孫でもあり神楽を舞って帰ろうと言い、鈴を持って神楽を舞います。
この舞、三番三の鈴ノ段をアレンジしたものだそうですが、10分ほどの狂言の舞としてはなかなかに長いものです。

小鼓と笛が入り、妻は鈴を振りながら舞いますが、その様子にシテの男がどうにも気になる様子。徐々に妻の動きを目で追いかけ、終には立ち上がって様子を見るようになります。徐々に男の動きが大胆になり、とうとう妻に見つかってしまいます。
妻は石神と思って祈っていたのが夫の化けた姿と気付き、怒って夫を追い込み留となりました。

上演時間40分を超える、狂言としては大曲の部類ですが、なかなかに見どころの多い面白い曲でした。
ところで出雲路の夜叉神ですが、京都市上京区幸神町にある幸神社(さいのかみのやしろ)がこの夜叉神と比定されているそうです。出雲路道祖神とも呼ばれたそうですが、主祭神として猿田彦大神と天鈿女命を祀り、ご神体は「御石さん(おせきさん)」といわれる神石だそうです。また境内には大小の石が重ねて置かれた石の神もあるそうで、本曲の石神はそれではないかと言われているようです。
石を軽く持ち上げられるかどうかで吉凶を占うというのは、各所にみられる信仰の一つですので、さもありなんとも思いますが、さてシテの男が石神の姿を真似て座っていたというのをどう解釈したらよいのか、こちらはいささか腑に落ちない感じがします。
境内の石ではなく、ご神体がもしかしたら人の形をした石神だったのかもしれません。

舞台は彌太郎さんの妻、占いをしつつも心揺れる様子、神楽も見事で、最後に石神が夫と気づき追い込む変化も大いに楽しませていただきました。
また良暢さんが忠三郎を襲名されて以来、舞台でお見かけするのは初めてですが、剽げた味わいがなんとも言えない、憎めない夫を表現していた感じです。
(41分:当日の上演時間をおおよそで記しておきます)
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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