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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

舎利 中森健之介(九皐会)

観世流 矢来能楽堂 2018.12.09
 シテ 中森健之介
  ツレ 桑田貴志
  ワキ 安田登
  アイ 河野佑紀
   大鼓 亀井洋佑、小鼓 住駒充彦
   太鼓 澤田晃良、笛 栗林祐輔

舎利は平成20年から22年にかけて三度ほど鑑賞記を書いています。本曲は流儀による違いもさほど大きくはない様子ですので、今回は舞台進行については簡略に、気付いたこと、気になったことなどに触れつつ、書いてみようと思います。

舞台に一畳台、舎利塔に見立てた小ぶりの台、火焔玉などが準備されるとワキの出。名宣笛でワキ安田登さんが登場します。
安田さんのワキを拝見するのは3年ぶりですが、その間に何冊か安田さんの書かれた本を読んだこともあり、なんだかそんなに間が開いた感じがしません。常座に出て名ノリ。安田さんらしい独特の声。安田さんの師匠になる鏑木岑男さんの謡を思い出させます。

名ノリ、道行、着きゼリフと謡い、一度正中辺りまで出てから狂言座のアイを呼び出します。十六羅漢、舎利を拝ませて欲しいとワキが申し出、やり取りの末にアイが舎利塔の戸を開けて、ワキが舎利を拝する形になります。

ワキは一畳台手前に下居、数珠を取りだして合掌しつつ謡います。この謡の最後「一心頂礼万徳円満釈迦如来」は「舎利礼(しゃりらい)」の冒頭の三句です。今まで何度もこの舎利の能を観たり、謡本を読んだりしていますが、ついぞ舎利礼が謡われていると意識しないでしまいました。
舎利礼ないし舎利礼文は大乗仏教の経典の一つですが、「如是我聞」で始まる多くの経典のように釈迦の教説(ないしその形をとったもの)ではありませんから、狭義のお経には含まれないのですが、わずかに七十二文字と短いこともあり、多くの宗派で葬儀などの際によく読まれます。特に曹洞宗では大切にされているようで、曹洞宗の檀家の方のお葬式に出席すると、まず必ずといっていいほど耳にします。
一心頂礼 万徳円満 釈迦如来
真身舎利 本地法身 法界塔婆
我等礼敬 為我現身 入我我入
仏加持故 我証菩提 以仏神力
利益衆生 発菩提心 修菩薩行
同入円寂 平等大智 今将頂礼
の七十二文字ですが、本来はその名の通り仏舎利を礼拝する時に読むものでしょうから、まさにこの場面に適した章句ということですね。

このワキの謡に続く地謡の上歌で、茶の無地熨斗目着流しに青の水衣、黒頭のシテが幕を出て舞台に進んできます。ワキはワキ座に着座し、シテは舞台に入って常座でサシ込み開キ、シテの謡い出しになりますが、このつづきはまた明日に
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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