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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

藍染川 本田光洋(国立能楽堂特別公演)

金春流 国立能楽堂 2019.03.21
 シテ 本田光洋
  子方 中村帯雅
  ワキ 飯冨雅介
  ワキツレ 原大 岡充
  アイ 茂山千五郎
   大鼓 白坂保行、小鼓 幸正昭
   太鼓 中田弘美、笛 竹市学

松山鏡の鑑賞記の際に、松山鏡と本曲藍染川(あいそめがわ)は、シテが活躍しないので上演が少ないといった趣旨のことを書きました。しかし振り返ってみると、そう括ってしまうのもちょっと違うかなと思っています。
前場では、都から遙々筑紫太宰府まで子の父に会うため下ってきたものの、偽の手紙に絶望して身を投げてしまう、女の想いを演じる難しい役処です。後場は天神として顕れるものの、正に神の顕現を示し上がらせ給うたという態で、舞事、働事はないままに終曲となります。まずは短い出番といえば短いのですが、とは言え身を投げ空しくなった女を復活させたという終曲の形なので、これまた大事な役ではあります。

そういう意味では「活躍しない」という訳ではないのですが、しかし一曲全体を捉えてみると、後場に登場するワキの悔悟と祈りにより女が蘇生するという霊験が中心であることは明らかで、ワキの能と言えそうです。
国立能楽堂のプログラムに掲載された中司由起子さんの解説には、本曲は「恩愛霊験能」と位置付けられ、本曲同様に神仏が死者を蘇生する奇跡が起きる能には「谷行」や「竹雪」がある・・・との記載があります。谷行、竹雪、いずれもワキが重要な役回りとなっており、また上演が稀であることも同様です。また檀風も、蘇生譚ではありませんがワキ中心の曲であり、これまた上演の稀な一曲です。

やはりこういう類型の曲は、シテ方としては敢えて上演しようとする気になり難いということなのかも知れません。また谷行は喜多流では廃曲の扱いになっており、竹雪は宝生流と喜多流のみ、そしてこの藍染川は観世流と金春流のみ、さらに檀風は宝生流と金剛流のみが現行曲としているなど、そもそも五流幅広く演じられる形になっていない事情もあります。
ともかくも、舞台の様子は明日から書いていこうと思います。
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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