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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

藍染川またまたつづき

閉じた文を左の手に持ち、ワキは左近尉に「幼き者をこなたへ連れて来たり候へ」と命じます。左近尉は正中に腰を下ろして子方に向かい、神主が仰りたいことがあるとのことと言って、子方に寄って立たせ「こなたへ御入り候へ」と子方を導き、自らは常座に控えます。

子方が一ノ松まで進むと、ワキは子方に真の父に逢いたくはないかと問います。子方は父に逢わせて欲しいと言いますが、ワキは「名乗らんとすれば涙にむせび」と謡い、子方「目もくれ心」ワキ「月影に」と謡って地謡に。梅千代の顔かたちが母の面影に違わないと謡い「取り付き髪かきなで よそ目思はぬ気色かな」の地謡に、ワキは子方に寄って座らせると、向き合って子方の髪を撫でる型。

ワキはシテ柱越しに常座の左近尉に声をかける形で、都の女の遺体をひと目見たいと言います。これに対して左近尉は、お気持ちはもっともだが「御姿にてはいかがかと存じ候」と言います。ワキはこれに「汝が申す如く あれ体の死人を目に見る事はなけれども、かの者の心中余りに不便にある間 苦しからぬ事・・・」と答えます。
おそらくは神職の身で、身投げの遺体を見るというのは穢れ、障りになるので、避けるべきとの理解が前提になってのやり取りと思われます。

ワキの重ねての求めに、左近尉は立ち上がって常座から触れの形で人払いをして鏡板にクツロギます。子方を前にしてワキが舞台に入って正先の小袖に向かって進み、ワキはワキ座側から、子方はワキ正側から小袖を見て下居します。

ワキは、遺体に語りかけるように、下向を夢にも知らなかったが、梅千代には自分の一跡を譲り身を立てさせる また御跡を懇ろに弔うと言います。
これを受けて地謡のクセ。顔色も草葉の色に異ならず、眼蓋を開くこともないと謡われるに合わせ、ワキは中腰となり、扇をもって小袖をワキ座側から右に指していき、扇を返してシオリ。上げ端「紅顔空に消えて」を謡うと、さらに地謡に合わせてワキ座方を見、「飛揚の魂いずくにか ひとり赴く有様」の詞章に、正から左へと飛ぶ魂を追う形。「累々たる古墳の辺り」と腰を下ろしてモロシオリ。「郊原に朽ち果てて 思ひや跡に残るらん」と直して小袖を見込みます。

ワキは向きを変え、常座に出た左近尉と向き合う形で「いかに左近の尉」と声をかけ、あまりにかの者が不便なので、天神に祝詞をあげ蘇生を祈誓しようと思う旨を述べ、急ぎ幣帛を捧げるように命じます。
さてこのつづきはまた明日に
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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