FC2ブログ

能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

二人大名のつづき

やって来た通りの者に大名甲が声をかけて、都に行くならば同道しようと言います。
通りの者は、同道する者が欲しいとは言っていたものの、相手が大名では相応しくないと断りますが、大名達に是非にと求められ同道することになります。
大名甲が通りの者に無心したいことがあると言い、先に礼を言います。何を頼むのか明かさずに礼を言うのは怪しい限りですが、通りの者がともかくも頼みを聞くことにすると、太刀を持ってくれという次第。通りの者は断りますが、大名は太刀に手をかけて脅します。通りの者が太刀を持つことにすると、只今のは戯れ言と言って通りの者に太刀を持たせます。
大名はなかなかの持ちぶりだと褒めます。通りの者はこれに気をよくしたのか、誰か知っている人が通ったならば、「やいやい太郎冠者おるかやい」と呼んでくれたならば、「御前に」と答えようなどと言います。
以前の鑑賞記にも書きましたが、どうもこの段が私には今一つ腑に落ちません。この後、通りの者の仕返しに場面が展開していくわけですが、いきなり脅かされて太刀を持たされたことに腹に据えかねているなら、わざわざ頼まれもしないのに「太郎冠者と呼んでくれ」などと余計なことを言い出さなくても良い様に思います。
まあ太刀の持ちぶりを褒められて気をよくしたという事なのだろうとは想像しますが、なんだかしっくりしない感じが残る部分です。

なお和泉流狂言大成では、シテ大名甲が小アド往来人に太刀を右に持つように求めます。主人の太刀は右に持つものだと言われて、小アドは自分は身内の者ではないと言い返しますが、大名は、身内の者ではないけれど持ってくれと頼んだからには同様にして欲しい。と重ねて頼み、往来人も右に持つことにして、太郎冠者と呼んでくれという段になっていきます。萬さんの時もこの形でした。大藏流はこの「太刀を右に」のやり取りがありませんが、通りの者が仕返しする理由づけに和泉流ではこのあたりを膨らませたのかも…などと想像しています。

この後、通りの者は、抜いた太刀で二人の大名を脅して小袖と腰の物を取り上げ、鶏の蹴り合いや犬の噛み合いの真似をさせます。これは和泉流と逆順で、鶏が先、犬があとになっています。
最後はおきゃがり小法師の真似をせよということになります。「京に京にはやる おきあがり小法師 やよう とのだに見れば ついころぶ ついころぶ 合点か 合点か 合点合点合点じゃ」と謡って左右に起き上がり小法師よろしく体を振るもの。和泉流とは少しだけ詞章が違います。また通りの者に求められて、大名甲は、これは面白そうなと言う形になっていて、これまた流儀によるか家によるか、ともかく違いのあるところです。
二日にわたって細かい違いを書き連ねてみました。全体としては同様の曲ですので、観た印象はあまり変わりませんが、面白い一番でした。
(24分:当日の上演時間をおおよそで記しておきます)
*** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** ***
このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
関連記事
スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://zagzag.blog72.fc2.com/tb.php/2589-cccfcfd2

 | HOME | 

カレンダー

« | 2020-08 | »
S M T W T F S
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -

月ごとに

カテゴリー

カウンター


最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

プロフィールなど

ZAGZAG

頑張らない、をモットーに淡々と行こうと思っています。