FC2ブログ

能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

通小町のつづき

一声が奏されて幕が上がり、無地熨斗目を被いたシテが姿を現します。ツレは後見座から立ち上がり常座に出、シテが一ノ松に立って、ツレの謡「嬉しのお僧の弔ひやな」になります。ツレが「戒授け給へお僧」と謡うと、シテがすかさず「いや叶ふまじ・・・」と謡い出します。

昨日書いたとおり、ツレが後見座にクツロギ、一声でシテが出てくる今回の形が、現行曲としてはオーソドックスな演出ですが、たまたまこれまでに鑑賞記を書いた三番は、いずれもツレが中入する演出でした。粟谷明生さんの演能レポートを読むと、この平成21年の粟谷能の会での通小町では、ツレの中入に関して、中入から後ツレの出までの時間が短いことから、前ツレは中年の女の形にしたことが書かれています。詞章に合わせ姥にしてしまうと、白髪から鬘も替えなくてはならず、装束替えがかなりの負担になります。このため姥姿はあきらめたとありました。
粟谷能の会を観た際は、喜多流はこういう形なのかと思ったのですが、これはあくまでも明生さんの演出ということのようです。

ふと気になってネットで検索していたところ、YouTubeに1973年後藤得三さんがなさった時の動画がアップされているのを見つけました。配役からみてDVD版の能楽名演集に収録されているものと同じではないかと思います。
シテが後藤得三さん、ツレが粟谷新太郎さん、ワキが松本謙三さんで、囃子方は大鼓が安福春雄さん、小鼓が幸祥光さん、笛が藤田大五郎さんという名手揃いの一番。私が能を見始めたのが1974年頃ですが、幸祥光さんは1977年に亡くなっていて最晩年。あまり舞台を拝見した記憶がありません。安福春雄さんや藤田大五郎さんは何度も拝見した懐かしい方々です。
ともかくも、その後藤得三さんの上演を観ていると、ツレの粟谷新太郎さんは前場から紅入唐織着流しで出て、後見座にクツロイだ様子です。カメラワークの関係ではっきりとは確認できないのですが、ワキの待謡から一声が奏されて、さほど間を置かずに常座辺りに出てきた様子が映っていますので、幕から出たのではないと思われます。
続くシテの「いや叶ふまじ戒授け給はば・・・」の謡は幕の内からで、ツレと掛け合いで謡い続け「はや帰り給へや お僧たち」までを謡い、地謡のロンギ「なほもその身は迷ふとも」を聞いて、ここで幕が上がりシテの後藤得三さんが熨斗目を被いて姿を現します。
喜多流もこちらの方が現行の基本的な演出ということのようですが、一声ではシテが出ず、ロンギまで幕内からの謡になるところ、今回の観世流の形とは大きく違います。

いささか長くなってしまったので、このつづきはまた明日に
*** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** ***
このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
関連記事
スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://zagzag.blog72.fc2.com/tb.php/2591-4e1235b7

 | HOME | 

カレンダー

« | 2020-09 | »
S M T W T F S
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 - - -

月ごとに

カテゴリー

カウンター


最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

プロフィールなど

ZAGZAG

頑張らない、をモットーに淡々と行こうと思っています。