能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

姨捨つづき

さて舞台はまず次第の囃子でワキが登場して始まります。
ワキは都の者、この秋に思い立って月の名所という更科の姨捨山を尋ねてみようと旅に出たところです。ワキツレ共々に道行を謡い、姨捨山にやって来ます。


姨捨山に着いた一行。ワキツレはそのままワキ座に進み、ワキは後見座に笠を置いてから正中へ出て、月夜の美しさに魅せられしばし月を眺めようとと語ります。
するとシテが呼び掛けます。
シテは橋掛りを進みながら、ワキとの問答になりますが、この中で姨捨伝説が暗示される訳です。とは言ってもあまり明瞭に生々しい話にはなりません。


たしかに謡の詞章には、桂の木のほとりに捨て置かれたそのままに、土中に埋もれ昔語りとなってしまった、その「なほ執心や残りけん」とありますが、執心が積もってどうこうという話には展開しません。
地謡に合わせて舞台に入ったシテはワキに何処の者かと問い、ワキが都の者だが更科の月を見に来たと答えると、それでは月とともに再びやって来て、夜遊を慰めようと言うのです。
そして自分は昔、捨てられてこの山にただ一人住んでいた者であると明かして、姿を消してしまいます。


執心、執心の闇を晴らす、といった言葉はちりばめられているのですが、あまり怨みがましさや、苦しさなどといったものは表現されず、もっと静かな月の光のような世界を現そうとしているようです。


生々しいのは間狂言の語りで、中入りの後に居語りで姨捨伝説が語られます。


しかしこれを受けてのワキの待ち謡はなんとも長閑で、月の美しさを愛で、三五夜中新月の色、二千里外古人の心という、白楽天の詩を吟じてシテを待つわけです。
このつづきはまた明日に

関連記事
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://zagzag.blog72.fc2.com/tb.php/262-33bb9a78

 | HOME | 

カレンダー

« | 2018-06 | »
S M T W T F S
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

月ごとに

カテゴリー

カウンター


最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

プロフィールなど

ZAGZAG

頑張らない、をモットーに淡々と行こうと思っています。

FC2Ad