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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

狂言本

能の謡本というのは、戦国末期、江戸時代初期の下掛り系車屋本にはじまり、有名な光悦本など、江戸時代にも多数発行されています。
初期のものは1600年前後の頃というところでしょうか。


一方、狂言の本として知られる最も古いものは天正狂言本と言われていますが、これは筋書き程度のもので、台本に近い形になるのは大藏弥右衛門虎明による虎明本が1640年頃にまとめられたのが最初と言えましょう。


その後も、虎寛本や虎光本、和泉流の天理本や和泉家古本などがまとめられていますが、これらは流派による台本の書留であって、車屋本や光悦本のように一般向けに出版されたものではありません。


謡本の方は、能を観る際の参考として、また謡を習う場合の教本として必須だったと思います。江戸時代の謡本出版の隆盛も、謡曲を趣味として習うことが流行してはじめて成り立ってきたのでしょう。
一方の狂言の方は、狂言を習うというのあまりポピュラーにならなかったようですし、狂言を観る際のテキストというのも、これまで述べてきたように、そもそも話し言葉からなる狂言の場合テキスト不要という側面があって、ほとんど必要性がなかったのではないかと思います。


ところが一般向けに出版された狂言本として、1660年に刊行されたという狂言記、これにつぐ狂言記外五十番、続狂言記、狂言記拾遺といった本が刊行されていきます。
これらは、もちろん体裁上は狂言の台本の形になっていますが、狂言を面白い話として楽しむために出版されたようです。
大藏、和泉のいずれもと詞章などが微妙に違っているようで、京都あたりの群小狂言の台本を元に書かれたものと言われています。


どの程度流行ったものなのか分かりませんが、狂言を台本で読んでみようと思った素人衆が江戸時代初期には既に存在していたという、明かな証拠ということなのでしょうね。

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