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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

酔狂人の改心・・・悪坊つづき

定宿に着いたと、悪坊は出家を中に通し、亭主を呼んで食事を用意するように言いつけた後、長刀や刀を置いて、出家に腰を揉めと命じて横になります。


さて出家が悪坊の腰を打つと、酔いが回ったのか悪坊はうつらうつら。
「これで良いか?」とだんだんに打つ手を強くしていくとガバっと目覚める。これを繰り返す内に本当に寝入ってしまいます。


出家は悪坊が寝入ったのを確認すると、亭主にあの男は誰かと確認します。
亭主が言うには六角殿の同朋である悪坊という者で「大の酔狂人」と乱暴者の名が高いという話。出家は亭主に逃がしてくれと頼み、自分が持っていた傘や衣などを置いて、代わりに悪坊の長刀、刀や小袖を取って持って行ってしまいます。


出家は立ち去る前に長刀を一振りし寝ている悪坊に悪態をつきます。
この日の開演前に能楽堂の通用口あたりで人待ち顔だった榎本さん、そのうちなにやら動きを繰り返していたのですが、この長刀一振りの所作だったようです。


さて件の悪坊、ようやく目を覚ますと長刀などがありません。
かわりに衣や笠などがあり、しばらく不審に思っていますが、これはさぞかし佛が自らを仏道に引き入れるために方便によってこのような姿にされたのだろうと得心し、托鉢に出掛けます。


なんとない味わいのある曲です。
(20分:当日の上演時間を5分単位程度で記しておきます)

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