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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

謡曲笑い話

江戸時代には、謡が随分と庶民にも広まっていたようで、辻謡と称して道端に座して謡ったり門付けのように家々を回りながら謡ったりと、そんな商売もあったという話。もともとはそれなりの稽古をした武士が、食うに困ってこうした商売を始めたという話もあります。


それくらいだったので、謡曲をもとにした笑い話も広く知られていた様子。
以前、演能回数の統計でご紹介した大角征矢さんも、ご出身の神戸大学能楽部の掲示板に、そうした話のいくつかを紹介されておられます。


そんな話の一つ、田村。


田村は、坂上田村麻呂が創建したと伝えられる清水寺と、清水寺にちなんだ観音信仰を柱にした能で、修羅物とはいうものの他の曲とはかなり趣が違います。
後シテは鈴鹿山の鬼、逆賊を平らげる際に、観音の助力を得た様を舞い語りしますが、この千手観音の話。


謡曲では「千手観音の光を放って虚空に飛行し、千の御手毎に大悲の弓には智慧の矢をはげて、一度放せば千の矢先、雨霰と降りかかって」と謡います。
あるとき、能の大夫に男が「千の御手に弓矢を持てば五百ずつではないか」と問いただしました。
大夫、騒がず「ご不審はもっとも。さればこそ、その前に『あれを見よ不思議やな』と書いてある」と答えたという話。


この話、随分と好まれたらしく、川柳作者と謡曲作者のやり取りともされていたり、いくつかのバージョンがある様子です。


千の矢に五百鉄砲鈴鹿山
(鉄砲は「ほら」の意で、千の矢のうち五百はウソほどの意味でしょうか)

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