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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

高砂のつづき(式能鑑賞記)

まず真之次第でワキ、ワキツレが登場しますが、ワキが舞台に入ったところでワキツレ二人は橋掛りで両手をついて深く一礼。ワキツレが立ち上がる一方で、ワキは常座に進んで両手をつき深く一礼しました。
いわゆる礼脇の形ですが、ワキツレの出方など、細かいところは流儀によって若干の違いがあるのかもしれません。
ワキの名のりから道行の謡へと、運びも早く小気味よい謡。謡い終えるとワキ座へ着することになりますが、ワキツレ二人のうち一人は地謡の前に座した一方で、もう一人はワキの斜め後ろ、地謡後列と並ぶような形で着しました。あまり見ない形ですが、これは福王流の形で、下掛宝生を見慣れているとちょっと不思議な感じがします。


ワキの福王和幸さんは関西在住なので、あまり東京でお見かけする機会はないのですが、お父様似の堂々たる体躯で、しかも美形。梅若六郎さんの新作能「紅天女」でワキを勤められたのでも有名ですね。


さてシテのほうですが、ワキが着座すると真ノ一声でツレを前に進めて登場。小柄な白牛口二さんに対してツレの呻二さんが大柄ですが、さすがにシテの迫力があります。
老人の姿ですが「本当は若くて人間を超越しているのだよ」と匂わせているような、ある意味、武張った感じがします。
舞台に進む歩みも尉としては早めな感じ。謡もきびきびとした印象を持ちました。


高砂や弓八幡など、前場が老人、後場で若き神の降臨という典型的な神能は、世阿弥が大成したものと言えましょう。
世阿弥は能の作劇について記した三道の中で、能の構成の基本を書いていますが、序破急五段の構成といい、その細部に至るまで、高砂や弓八幡はこの基本とおりの形になっています。おそらくは理想的な形の能として作曲したということでしょうね。


なにやら後シテが楽しみな感じになってきました。
明日につづきます

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