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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

狂言「入間川」のつづき

大名が横柄にものを問うと、男も横柄に返します。大名は腹を立てたもの、太郎冠者にいさめられて言葉を直して問いかけると、男もそれなりの応対をしてくる様子。これには大名も気をよくして、川の名を問うと「入間川」との答。


大名は、さてこの入間川を渡るのにどこで渡ればよいのかと男に尋ねます。
男は「ここは深いので上へ回れ」と言いますが、大名は「この川は入間川だな」と念を押すと、そのまま渡り始めてしまいます。


男も太郎冠者も大名を止めようとしますが、大名はかまわず川を渡り、案の定深みにはまってしまいます。
助けられた大名は太刀に手をかけ男を斬ろうとします。というのも「このあたりは入間様と言って、昔から逆さ言葉を使う場所なので、ここは深いから上へ回れというのは、ここを渡れということだと思った」という理屈。これもまた勝手な思い込みで随分な話ですが、件の入間の男、これに騒がず大名に「弓矢八幡、成敗いたす」と誓わせて「やら心安や」と述べます。
大名が入間言葉を持ち出したのを逆手にとって「成敗する」と誓わせたので逆に成敗できないだろうという理屈です。


ここから逆さ言葉を使っての応酬になります。
命を助ける、助けない。忝ない、忝なくもない。物を与えても、祝着にもござらぬ・・・などなど、やり取りが続いて、大名は様々な物を男に与えます。


そこでアドの男が、頂き物を持って帰ろうとすると、大名が引き留め「入間様を除けて真実を言え」と持ちかけ、男が「身に余ってかたじけのうござる」と言ったのをタネにして、与えた物を取り返し退場するという形。
男はこれを追い込んでの終曲となります。
萬さんのアドも見事でしたが、万蔵さんのシテ、このところ見る度に上手いなあと思うことしきりです。
(30分:当日の上演時間を5分単位程度で記しておきます)

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