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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

雁大名さらにつづき

太郎冠者は、永の逗留で預かった鳥目はすべて使い果たして一銭もないと答えます。
大名も手持ちはなく、困った末に「代わり無しに肴のただ整う分別はないか」と太郎冠者に問います。


太郎冠者は考えた末に一計を思いつき、亭主の前で雁を取り合う喧嘩をし、隙を見て雁をせしめてしまおうと、主人に答えます。そしてまずは大名が肴屋町に出掛け、素知らぬふりで雁を求めることにして、太郎冠者は後から出向くということで、アドの冠者はいったん後見座へクツロぎ、シテの大名は舞台を廻って肴屋町に向かいます。


さて件の店にやってくると、早速に雁を買おうと値を問います。亭主は太郎冠者の時と同様に五百疋と答えますが、大名は「侍の値切るのもいかがか」などと言って五百疋で買うと同意します。そして亭主に雁を持ってこいと促すのですが、ここで太郎冠者が亭主に「三百疋を持ってきたのでその雁はこちらへ」と言って雁の取り合いになります。


亭主と太郎冠者がもめていると、ここにシテの大名が割って入り、今度は大名と太郎冠者が雁を取り合っての喧嘩となります。
もめているうちに大名が太刀を抜き斬りつけようとするので、亭主がこの喧嘩は預かると言って仲裁に入ります。


亭主が大名を止めようとしている隙に、太郎冠者は雁を掠め取り、亭主は切り戸口から退場してしまう訳です。


まんまと雁をせしめた二人。さらに大名は故郷の家人への土産として袱紗まで掠め取ってきています。二人が大笑いをして留めになりますが、悪事が露見して追い込みの形で終わる狂言が多い中では、いささかひねりの利いた狂言ですね。


ちなみに雁は羽箒で表します。これは雁礫でも同じですね。
大藏流は廃曲扱いと先に書きましたが、本来は洞烏帽子を使うのだそうです。これも鴈礫と同様で、流儀の決まりということなのでしょうか。
(25分:当日の上演時間を5分単位程度で記しておきます)

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