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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

藤さらにつづき

高野さんのアイは、趣ある語り口。語りアイの場合、概して和泉流の方が真面目な・・・というとなんですが、様式的な印象を受けます。


ワキの待謡を受けて後シテが登場してきます。
装束は藤の立物をつけた天冠に緋の大口、紫の長絹という、この曲としては通常の形。一声の囃子で登場して「偽りか空しき空に散る花の、あだなる色に迷いそめけん」と謡ったのちワキとの掛け合いになります。


優美ですが、謡も割とさらさらとした運びです。人の思いを切々と謡うという曲ではありませんし、この季節の花の精ということで、人間の情念を離れた透明感のある感じです。
シテ、ワキの問答から地謡へと移ると、シテは常座から歩を進め左の袖を返してワキを見込む形。これは金剛の際も同じでしたが、そこからクリ、サシと続いて「奈古の浦回もほど近き、眺めに続く景色かな」とユウケンしてクセに入ります。


短いクセは特段特別な型もありませんが、運びに緩急があって趣のある舞でした。
「浦吹く風に小夜更けて」とするすると角へツメたのち、ゆっくりと左へ回って「友呼ぶ声や」とワキ座まで進みましたが、この辺りの動きの緩急は、藤の花が風に揺れる感じとでも言えばよいのか、たゆたうような趣がありました。


クセに続く序ノ舞は型通りのものでしたが、むしろ序ノ舞の前後の方が面白かったように感じました。


序ノ舞の後もたゆたうような雰囲気のままに舞が進み、「春のみじか夜明くる横雲に」と笛座前から目付柱に向かって雲扇。夜が明けて花の精も姿を消す頃合い。
静かに留となりました。
(85分:当日の上演時間を5分単位程度で記しておきます)

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