FC2ブログ

能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

八島さらにつづき

シテの語りは元暦元年三月十八日の戦。平家が一町ほどの沖に舟をならべ、源氏が汀に出ていると、兵船一艘が漕ぎ寄せ、源氏方の三保の谷の四郎と、平家方の悪七兵衛景清が、兜の錣を掴んでの組み合いとなり、景清が錣を引きちぎった話から、さらに佐藤継信が義経の身代わりとなって能登の守教経の矢に当たって討たれた話。さては菊王も討たれて、双方分けた次第を語ります。


この仕方話もなかなかの聞かせどころ。
端正な、と言えばよいか、水上さんらしい実に品の良い前場で、老人の姿はしているものの老人を感じさせない、武将の霊であることを暗示する演技でした。


語り終えた後、潮の落つる暁ならば修羅の時になるべし其の時は我が名や名のらん・・・と地謡が謡い、さらに「よし常の浮世の夢ばし覚まし給ふなよ」と中入りになります。
この「夢ばし覚まし給ふなよ」もちろん義経の名を掛けているわけですが、それにつけても「夢を覚ますな」と言うからには、これ全体がワキの夢であると象徴するような詞章。以前に紹介しました安田登さんの本にも、この話が出てきます。実に意味深なところです。


間狂言は錣引きの話から弓流しの話などを語り、義経への供養を勧めて退場。替の間では那須与一語が演じられることもありますが、この日は小書はありませんので、常の形。
そしてワキの待謡になります。


後シテは梨打烏帽子に白鉢巻、袷法被に半切で、右の片袖を脱いでの着付け。長絹を着けて出る平家の公達などと違って、まさに武将の甲冑姿の象徴ですね。
後場も端正なと言ったらいい、スッキリした印象で、良い能でした。
(85分:当日の上演時間を5分単位程度で記しておきます)

関連記事
スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://zagzag.blog72.fc2.com/tb.php/487-342a139a

 | HOME | 

カレンダー

« | 2020-05 | »
S M T W T F S
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31 - - - - - -

月ごとに

カテゴリー

カウンター


最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

プロフィールなど

ZAGZAG

頑張らない、をモットーに淡々と行こうと思っています。