観世流の会あれこれ
観世流は全国に500人を超えるプロの能楽師がいるくらいなので、本当に様々な家の会や個人の会が催されています。
京都の観世会館を中心とした片山家一門や、大阪の大槻清韻会など、各地に有名な会があります。
私はもっぱら東京で能楽を観ているので、東京で公演のある会のことしかわかりませんが、観世の会は概ね、観世宗家を中心とした先生方の会、観世銕之丞家系の会、観世喜之家系の会、梅若六郎家系の会、梅若万三郎家系の会の、大きく五つの系統に分かれます。
観世宗家清和師や実弟の芳宏、芳伸師をはじめ、多くの先生方が渋谷の観世能楽堂を中心に活動をしています。
観世会は流儀の会という位置づけなので、観世銕之丞、観世喜之、梅若六郎、梅若万三郎の各先生方も出演しますが、それ以外は宗家に近い先生方の出演がほとんどですね。
観世銕之丞家は江戸時代に宗家から分家した家で、当代の銕之丞が九世。銕仙会として青山の銕仙会能楽研究所をベースに、定例公演は水道橋の宝生能楽堂で開催しています。
先代の銕之亟静雪、その兄寿夫師は、能楽の普及にも力を注ぎ、学生向けの格安なチケットを作ったり、学生能の指導にあたったりなど、尽力をされた方です。寿夫師は名人の誉れ高く、能楽界全体を背負う人と目されていましたが、53歳で早世されました。
観世喜之家は銕之丞家から分かれた家で、九皐会として神楽坂の矢来能楽堂を中心に活動をしています。名古屋でも定例会を催しているようですね。
ここの先生方は学生能の出身者が割合多くて、若先生の喜正師を中心に若手主体の演能が盛んです。
梅若家の系統の先生方は、第二次世界大戦前の一時、観世流を離れて梅若流をたてた時期があります。
その後、紆余曲折があって観世流に復帰していますが、より観世宗家に近い立場を取ったのが万三郎家系の先生方、最後まで梅若流を続けようとしたのが六郎系系の先生方と理解しています。
梅若六郎家系の先生方は梅若会として東中野の梅若能楽会館を拠点に、演能活動を行っています。
一方、万三郎家系の先生方は梅若研能会として、観世能楽堂を中心とした活動になっているようです。
私は観世喜之家系の先生のところで謡や仕舞を習っていた関係から、九皐会や銕仙会、あるいはこれらに関係した先生方の家の会や個人の会を、主として観てきました。
ここ数年は各流のできるだけ色々な先生方の演能を観てみよう、と意識して出かけていますが、それでも梅若万三郎家系の先生方の演能はほとんど観たことがありません。
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コメント
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觀世流は殆ど観ることがないのですが、喜之家の謡いは惹かれるものがあり好きです。寶生の玄人は好きな方多いようですよ❣️
で、銕之丞家の謡いはその次に好きですが、左近家の謡いは惹かれません。
觀世流は家によって違いがはっきりしてますね❗️ 私は梅若流は觀世流とは別に捉えてます、わりと惹かれる所あります。白洲正子さんも梅若流でしたね(^_-)