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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

歌占さらにつづき

シテは子方の選んだ歌を判じ、既に父に会っているという占いであることに不審を感じ、子方と互いに名のり合い、生き別れた親子であることが明らかになります。


このやりとり、シテの謡はなかなかに抑揚があり、思いを込めた感じ。観世らしいといえば観世らしいということなのでしょうけれど、私としては肌に合う感じです。


「時も卯月程時も合ひに合ひたり」のあとの「や」の心。「今啼くは郭公にて候か」と目付柱の上を見やる形から、「鶯の子ハ子なりけり。子ハ子なりけり」とやや面を伏せ思案する形。そして「不思議や御身ハ何処の人ぞ」とかかって、子方とのやり取りになりますが、このあたりも実に面白い。


そして親子の再会から、シテは子を連れて伊勢へ帰ると言います。
これに対してツレは、目出度いことだが別れに「地獄の曲舞」を舞うように求めます。


この地獄の曲舞はもともと独立した謡物であったのが、古くは「百万」に取り入れられて舞われていたようです。この百万の曲舞を世阿弥が差し替え、使われなくなった「地獄の曲舞」を元雅が取り上げて一曲の能に仕上げたのが、この歌占ということのようです。


次第から、クリ・サシ・クセと謡が続きますが、クセの最初の上ゲ端のところで立ち、舞います。下居のうちにも「往事を思へば」とやや面を伏せ考える風を見せるなど、型としても面白いところ。舞い上げると一セイからノリ地になり立廻となります。


立廻のうちに橋掛りへ入り、一ノ松で「あら悲しや」とシオリます。ツレが「面色変わり」とシテの変化を謡いかけ、神懸かりの状態でキリへ。ここも見せ所。「天に叫び」「地に倒れて」と飛び安座。ここはタラタラと下がる型をする場合もありますが、飛び安座が効果的だったように思います。
最後に「神は上がらせ給ひぬ」と覚めて、子方を先へ進ませ留めになります。
ああ、能を観るのは良いよなあ、と思った次第。
(55分:当日の上演時間をおおよそで記しておきます)

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