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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

盛久さらにつづき

覚悟を決めた盛久に、ワキが頼朝から誅せよとの命が出たと伝え、シテは日頃清水の観世音を信仰してきたので経文を読誦したいと申し出ます。そして胸元から経文を出して広げ「或遭王難苦臨刑欲寿終、念彼観音力刀尋段段壊」という観音経(妙法蓮華経観世音菩薩普門品偈、法華経の第二十五品ですね)の一部を読み上げます。


シテはこの意味を説き、さらに命が助かりたいからこの文を誦するのではないと言って、さらにワキに経文を見せながら二人で「種種諸悪趣地獄鬼畜生、生老病死苦以漸悉令滅」と読み上げ、経文を押し頂き左手にまとめてシオリます。


地の上歌のうちにしばしの時間が経過し、盛久はまどろんだという設定でしょうか。シテが「あら不思議や。少し睡眠の内に」と語り出します。
ワキはゆっくりと立って歩き出しますが、シテの詞が終わるあたりで急に歩みを速めて常座へ向かい、振り返って、かかった言い振りで「既に八声の鶏鳴いて」と時至ったことを告げ、盛久斬首の場面となります。


由比の汀に着いたとワキが述べ、シテは大小前から正中へ進んで座し、経文を広げて覚悟の形。後からワキツレの太刀持ちが進んで太刀を振りますが取り落としてしまいます。
ワキツレの詞に、ただ取り落としたばかりでなく、落とした太刀が経文の如く二つに折れて段々になってしまったことがわかります。


シテ、ワキはこの奇瑞に驚きを謡い、この顛末が頼朝の耳に入って「召に随い盛久は鎌倉殿に参りけり」と後見座にくつろいで物着となります。


掛直垂に梨打烏帽子の凛々しい姿で、大小前から正中で下居、クリ、サシ、クセと謡が続きます。居グセで動きはありませんが、晴れがましい雰囲気が漂います。
さらに頼朝の求めで一指舞うことになり「有り難し、有り難し」と晴れ晴れとした謡から男舞。スッキリとした舞でこの曲の気分を見事に表現しています。
早起きして出掛けた甲斐があった一曲でした。
(75分:当日の上演時間をおおよそで記しておきます)

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