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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

邯鄲さらにさらにつづき

「月人男の舞なれば」と謡い出したシテはユウケンをし、地の「月はまた出でて」に正先へ出て抱え扇で月を見やる形。さらに「昼かと思えば「月またさやけし」と雲扇で、時間がめまぐるしく変化する不思議な世界を舞い続けます。


さらに藁屋の小書のために「四季おりおりは目の前にて」と橋掛りへ入り、二ノ松あたりで「面白や、不思議やな」に合わせて、奥の欄干に腰を下ろしていまいます。


「かくて時過ぎ頃去れば」と謡がつづき、シテは欄干から立ち上がり「五十年の栄花も尽きて」と一ノ松に寄ります。子方や廷臣はこのあたりからまるで脱兎の如く、切り戸口へ走り寄り姿を消してしまいます。
「ありつる邯鄲の枕の上に眠りの夢は覚めにけり」と、シテは台に近づき飛び込んで台上に臥します。


下掛りだと橋掛りのあたりから歩を速めつつ、本当に台の外から飛び込んで臥す形になったりするので、思わず息を止めて見入ってしまうところですね。
今回は台に一度上がってからトンと踏んで飛び寝した形なので、台の外から飛び込んだようなアクロバティックな感じではありませんでしたが、橋掛りからすすっと寄る形で、常の観世の型よりも距離もあり、ずいぶんとダイナミックな感じがしたところです。


この一瞬の後に間をおかずアイが枕元を扇で叩き、夢の時間から現実の時間へと場面がくらっと展開する面白さ。この曲の白眉でしょうね。


けれどもこの曲の本当の面白さは、実はこの後。シテの心象風景がどう表現されるかなんだと思います。
茫然とした風から、最後「げにありがたや邯鄲の、夢の世ぞと悟り得て」と手を打合せた型から、なんとも晴れやかな気分が伝わってきて「ああ、ここで覚ったんだなあ」としみじみと感じた次第。
本当はこの目覚めから悟りまで、もう少し複雑な感情の動きが演じられていたような気がするのですが・・・またいつか、この先を感じる機会もあるでしょう・・・
(70分:当日の上演時間をおおよそで記しておきます)

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