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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

氷室さらにつづき

大藏のアイは氷室明神に仕える二人の神職で、二人して雪乞いをし降った雪を丸めて室に納めますが、この日は末社の神一人なので、狂言来序で登場してまずは立ちシャベリ。


その後、目付に進んでワキに対して雪を降らそうと問いかけ、常座で囃子に合わせて「雪コウコウコウ、霰コウコウコウ」と謡い舞います。この「雪コウコウコウ、霰コウコウコウ」は大藏と同じですが、前後の仕立てが違うと印象も替わりますね。


降った雪に、今度は「雪ころばかし」をしようと、再び囃子をともなって雪を転がして大きな雪玉を作り室に納めます。手の冷たさを示す型を見せ、ワキに挨拶をして、最後にもう一度、囃子に合わせて謡い舞いして退場。
二人の神職の掛け合いの形で、通常の狂言に近い構成だった富太郎さん達のときとは、また違った印象のアイでした。


さてアイが退場すると、出端で後ツレ天女が登場し、天女ノ舞になります。
金春の会では中村昌弘さんが前ツレの若男を直面で演じた後、後ツレの天女も演じました。が、今回のように前ツレと後ツレは別の演者が演じる方が普通でしょうね。
天女ノ舞を舞い上げると、後シテが作り物の中から謡い出します。


「氷室の神体さえ耀きてぞ顕れたる」で引廻しが取られるとベシ見の面に赤頭・唐冠、袷狩衣に半切で、氷の作り物を持った後シテが姿を現します。


「深井の氷に」と一度立ち上がって直ぐに座し、二度目の「引き放し」で立って飛び出る形。続けてシテは舞働を舞いますが、前場で老人の形で内に押さえ込んでいた気力を外に向かって開いたような感じ。
さらに氷をワキに渡して献上する様を見せ、「清風を吹かして」と招キ扇で風を招く所作を見せ、「雲を凌ぎて」と橋掛りへ進んで「すはや都も」と一ノ松で左袖を被いて都を見る心から、再び舞台へ入り、両袖を勢いよく巻き上げて小廻り、開いて留めの拍子と切れの良い舞で、脇能らしい留めとなりました。
(89分:当日の上演時間をおおよそで記しておきます)

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