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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

禅師曽我さらにつづき

さて祐宗がやって来たとの案内から、観世の本ではシテが直ちに何故に来たのかと尋ねます。ワキはこれに対して、鎌倉殿から国上の禅師を捕らえてくるように命じられたと答えるわけです。


しかし宝生流では、アイが案内を取り次ぐ際に文を持って出て、祐宗の来訪を告げるとともに曽我の里からの文が来たとシテに手紙を渡します。
どうも、もともとは前ツレの団三郎がこの場面で文を持って出てシテに文を渡し、シテが読んで祐宗の来意を悟るという流れだったようなのですが、観世流ではこのあたりをバッサリと切り捨てて、いきなりシテ禅師の物着へと展開してしまい、一方、前場を省略した宝生流では団三郎を出す必然性が弱くなってしまったため、アイが代わって文を差し出す流れになったということではないでしょうか。


さて禅師は覚悟を決め、ここで物着。
長刀を携えた形となり、討ち死に覚悟で戦いに出てきます。


長刀を上段に構えてきめた後、長刀を下げてワキを見込みます。ここの謡も観世流では「心得給え祐宗と城戸を開いて切って出れば」と短く切りつめられていますが、宝生の謡の方がもともとの形のようです。


ワキは橋掛りに並んだ立衆の先頭に立っていますが、この間に一番後の幕前まで下がり、立衆の先頭に出た疋田の小三郎とシテの斬り組になります。
ここではシテが切り捨てた形で、笛座前で飛び安座して斬られた形を表した小三郎は切戸口から退場しますが、多勢に無勢のシテは護摩壇を表す一畳台に追いつめられます。

最後は護摩壇の壇上から、隠しておいた剣をのんで自害しようとしますが、衆に生け捕りにされてしまい、両手を押さえられた形でそのまま橋掛りから幕へと走り込み「鎌倉へ送られた」と地謡が謡って留。
シテの和久さんは熱演で格好良かったし、ワキの大日向さんも登場の際に長刀を振ったりなど活躍で、私としては楽しめましたが、でもねっ・・・なんだか腑に落ちない能でしょ。
(26分:当日の上演時間をおおよそで記しておきます)

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