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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

実方のつづき

実方の中将は歴史上の人物。左大臣藤原師尹の孫で、若くして歌の才能を認められ円融、花山両院の寵愛を受けたうえ、清少納言との恋歌のやり取りなど恋愛の面でも有名。光源氏のモデルの一人ともされています。

勅撰集にも多くの歌を残し家集「実方朝臣集」も編んでいます。百人一首に入っている「かくとだに えやはいぶきの さしも草 さしも知らじな 燃ゆる思ひを」は清少納言に送った歌として有名。

ところが伝説では、ある時、藤原行成とふとしたことから口論になり、行成の冠を取って投げ捨てたことから帝の怒りを買って「歌枕見てまいれ」との命で陸奥の守として左遷されたと言われています。(このあたりは諸説あって本当のところは分かりませんが)

さてその古の歌人、実方中将の霊が西行のもとに現れたわけです。霊は西行に新古今集の事を尋ねます。
そこから歌談義が展開し、シテは常座から大小前、正中へと進んで床几にかかります。
続くクセでは古今集仮名序を引き、業平、喜撰法師、小野小町そして大伴黒主の一節を謡に展開します。この謡の終わり近く「これらは和歌の言葉にて」でシテは立ち上がり常座へ進んで杖を手に佇む形となります。
そして都、賀茂の臨時祭の舞をご覧ぜよと言い置いて、シテは姿を消してしまいます。

中入り後はアイの登場。
アイは里の男ですが、もともと残されていた間狂言の詞章だけではシテの装束着けに間に合わないのだそうで、本幕から小歌を謡いながら登場するという形を創作されたのだそうです。

右手に鎌を持ったアイの万作さんが謡いながら橋掛りを進み、一ノ松で「いつも草刈りをしているが実方の塚が特に草が伸びる」などと語って舞台に入り、たぶん大江山の一節のような小歌を謡いつつ草を刈るうちにワキ僧西行に気付きます。
ワキが寝入っているので、アイはワキを起こし、これまでのことはワキの夢の中のことであると明かされます。
後場が夢というのが復式能の基本的な形でしょうけれど、前場も後場もワキの夢というのは珍しい形です。

さらなる奇特を求めて西行は再び眠りにつき、後場へと移っていきます。
このつづきはまた明日に
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