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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

実方さらにつづき

アイが下がると、ワキの詞から謡になり「草の枕に伏しにけり」と再びワキが眠りについたことが明らかにされて、後シテの出になります。

現れ出でた実方は栄花の昔を偲ばせる狩衣、指貫、巻嬰の冠に老懸を着けていますが、白垂に尉面。古、賀茂の臨時の祭の際に、帝の命で臨時の舞を舞ったことを語ります。
実方はその時に、あたりにあった竹葉をとって冠に挿したことを謡い、この竹を踏まえてクセとなります。

翌日13日の会では大槻文蔵さんのシテで、後場は白垂に中将の面で出られたそうで、これはまた印象が変わっただろうと思います。
老いの身と若き日の姿をフラッシュさせるような独特の展開の曲なので、どんな面を着けるかは大事なところ。

さてこの曲は前後にクセがありますが、後場のクセでは、竹が即身成仏の粧い正直の相をあらわして、賀茂の祭に舞う実方は帝の寵愛を得て絶頂にあり、その姿は水に映しては自ら見ても美しいと謡い舞う舞グセになっており、さらに太鼓序ノ舞に展開していきます。
思いのほかにテンポの速い舞で中ノ舞の位かと思うくらいですが、二段で目付に座り込みワカ「みたらしに 映れる影を よく見れば」から一気に若き絶頂の姿から老醜の姿へと変化します。
装束を替える訳ではないので、ここはシテの技量のみが頼りのところ。

老人らしい謡い舞いが続いて、後ノ舞。序ノ舞の二段目以降を舞った感じですが、盤渉にとり、まさに老人の舞です。
その老の姿に「枯野の薄かたみとぞなる 跡とひ給へや西行よ」と実方は西行に弔いを頼んで姿を消したと留めになります。

この実方、15種ほどの謡本が現存しているそうで、私が事前に見たテキストは「跡とひ給へや西行よ」で終わっていますが、当日は「跡弔ひ給へや西行よ 跡弔ひ給へ西行 西行」と繰り返し、12日はシテが二度振り返って、最後の「西行」で左手をワキにのべて思いを強く見せた形でした。
(93分:当日の上演時間をおおよそで記しておきます)
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