FC2ブログ

能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

砧さらにさらにつづき

間狂言の何某の家来が登場、これにあわせて後見がワキ座前に置いた砧を正先へ移します。
アイは何某が夕霧を使わしたこと、年末には何某が戻るかと妻が喜んだものの、結局帰れないとの知らせに悲嘆して亡くなった旨を述べます。さらにその悲報に何某が下向し、砧を手向けて弔うので弔問に参られるように触れます。

これを受けてワキ、ワキツレが登場し、ワキが二ノ松あたりに差し掛かったところで、アイがワキに報告。これを受けてワキは砧の前に着座して悲しみを謡い、ワキツレは常座に控えますが、待謡を謡い終えるとワキ座へと移ります。

出端で後シテ、妻の幽霊が杖をついて登場してきます。面のせいもあるのかもしれませんが、前場は悲しみの強さと同時に人としての息遣いを感じたのですが、後場ではこの世を離れ異界の者となってしまった・・・人としての温もりを失ってしまったような感じを受けました。出端の太鼓の刻みが、より異界からの到来を感じさせるのかもしれません。
一ノ松で「三瀬川沈み 果てにしうたかたの 哀はかなき身の行くへかな」と謡い出し、舞台に入って常座で地獄の苦しみを示します。

さらに地謡の「羊のあゆみ隙の駒」から謡に合わせて舞い、蘇武の思いは届いたのに、我が砧の音が届かなかったのは夫の不実と「思ひ知らずや怨めしや」とワキを責めます。
これに対してワキは合掌し、法華経読誦の功徳に、さしものシテも成仏したと留めになります。
大曲といわれる砧ですが、前後を通して夢中で見てしまった感じです。

さて実は蘇武の話ですが、漢の武帝に使わされた蘇武が、十九年の後に囚われた匈奴の地で故郷を思い雁の足に帛を付けたところ、武帝の次の皇帝昭帝が上林苑で捕らえた雁がたまたまその雁であり、蘇武を救いに軍勢を向けたという話は、確かに漢書に見えます。
しかし砧の話はどこにあるのか、残念ながら私、この砧という曲の解説以外に蘇武と砧の関わりを書いたものを見たことがありません。不思議な話であります。
(98分:当日の上演時間をおおよそで記しておきます)
関連記事
スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://zagzag.blog72.fc2.com/tb.php/652-0a5d284a

 | HOME | 

カレンダー

« | 2020-02 | »
S M T W T F S
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29

月ごとに

カテゴリー

カウンター


最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

プロフィールなど

ZAGZAG

頑張らない、をモットーに淡々と行こうと思っています。