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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

翁さらにさらにつづき

翁之舞を舞い上げると、翁は「千秋万歳の歓びの舞なれば」と謡い、大小前で左回りに小さく回って扇で面を隠して一礼し畏まった形から、直して翁還りとなります。

目付柱の方向から面箱に向かう形で面を外し、正中へ出て正面へ向き、目付方向、ワキ座方向、再び目付方向へと行カヽリのような形で出てから、正中へ下居して深く一礼。
右袖を胸の前に広げる形から向きを変え、立ち上がって退場しました。

変わって三番叟になります。
先日の梅若研能会での万三郎さんの翁、鑑賞記では月崎さんの三番叟について書きましたが、同じ芸系ですし所作の違いなどはありません。

そういう意味では萬斎さんの三番叟とも同じなのですが、しかし演者が違うと随分と違って見えるものです。萬斎さんの舞は鍛え上げた身体能力というか凄いという感じなのですが、万蔵さんの舞はある意味オーソドックスな、大変安定感のある舞でして、伝統的な三番叟の粋のようなものを感じます。

三番叟の直垂は黒っぽい色ですが、褐色(かちんいろ:かちいろとも)というのが本来なんだそうで、黒に近い濃い藍染め。褐(かち)が勝ちに通じることから、平安時代以来、縁起をかついで武具の染め色や祝賀のときに用いられたのだとか。
そういう長い伝統と祝賀を感じさせる万蔵さんの舞でした。

ところで先日触れた翁の打掛りの際も三番叟は万蔵さんでした。
この「打掛り」は大鼓の石井流の小書で、なんでも江戸時代に大鼓方が遅参したことがあったそうで、遅れた大鼓方が切腹覚悟で三番叟になるところで大鼓を打ちながら幕を走り出たところ面白いとお褒めに預かり、後に石井流の重い小書になったとか。
ほとんど演じられることはありませんで、昨年の正月にテレビ放映される以前では、おそらく二十年近く前に橋岡久馬さんの翁で演じられて以来ではないかと思います。

昨年放映されたものでは、最初は通常通り舞台に登場していた大鼓方の河村眞之介さんが、翁還りの後に立ち上がって橋掛りを幕際まで進み、ここから大鼓を打ちながら舞台に入って常座から目付近くまで出、打ちながら下がって座に着きました。
いや、何も聞かされずにこれを観たら驚いたでしょうね。
話は余談にそれましたが、式能の翁の鑑賞記は以上ということで・・・
(71分:当日の上演時間を記しておきます。今回は翁付きですので脇鼓が退場し幕に入ったところまでとしました)
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