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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

昆布柿のつづき

さて登場した丹波の百姓に、淡路の百姓が立ち上がって声をかけます。
「わごりょはどれからどれへ、お行きゃる」との淡路の百姓の問いに、丹波の百姓は「身共は用を前に当てて、後から先へ行く者でおりゃる」と答えます。

また随分と木で鼻をくくったような答ですが、淡路の百姓は「用を後に当てて、先から後へと行く者はない」などと切り返して、再びどこへ行く者かと尋ね、ともに都に年貢を持って上がる者と明らかになって、同道することになります。

二人は連れだって歩みを進め、橋掛りに入り三ノ松あたりまで進んでから戻りつつ、一ノ松で「はや都に着いた」ということになり、淡路の百姓が「身共が上がるお館はこれじゃ」と上頭の館に着いたことを述べます。

丹波の百姓は「身共が上がるお館はまだづっと上でござる」と言い、それならば帰りにまたここにて待ち合わせ、最初に出会ったところまで同道しようと、二人約束して別れを惜しみつつ「さらばさらば」と言い合いますが、さて丹波の百姓は「とは言いたけれども、身共が上がるお館もこれでござる」と、なんと同じ館へ上がるもの同士だったことがわかります。

二人のやり取りなどやや詳細に書きましたが、このあたりまでの話は餅酒や筑紫奥などと同様でして、二人のお百姓が年貢を納めに都に上るという脇狂言のジャンルとしては、良くあるパターンなんですね。
年貢を納めるというのは、百姓の方にとっても領主にとっても大変重要なことであって、だからこそ脇狂言に同様の曲が何曲も残されているんだろうと思います。
重要であり、かつそれをし終えるとお百姓にとっても、領主にとっても実に目出度い。まさに脇狂言とする意味があるということでしょう。
とは言え、いくら目出度いと言っても同じ話ばかりでは飽きもしましょうから、少しずつ趣向を変え、さらに少々詳しく書いたように、ちょっとした笑いをその中に込めていこうということだったのだと想像しています。

さて二人して同じ屋敷が目的地とわかり、まずは淡路の百姓が案内を乞います。
この後どうなるか、もう一日続きます
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