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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

田村のつづき

上掛りの本では「いかにこれなる人に尋ね申すべき事の候」とワキが呼び掛け、シテが返事をして、と順序立てていますが、下掛りではこの最初のやり取りが省略されて、童子に「花守か」といきなり尋ねる形です。
大した違いではありませんが、こうした詞の部分は曲によっては上掛りと下掛りで、詞章が違ってきますね。

問われたシテは清水寺の由来をワキに語ります。
ここも上掛りと下掛りで微妙に詞章の違うところです。
大和の国の沙門が正身の観世音を拝もうと淀川(上掛りは木津川)を尋ね上がって行叡居士という老翁に出会い、この行叡居士が大伽藍を建立すべしと行って東へ飛び去ったという基本は同じですが、下掛りではこの行叡居士がその地に住んで七百歳となっていたこと、行叡居士の事を聞いた坂の上の田村丸が伽藍を建立し、千手の仏像を作り据えて、都鄙安全の尊容としたことなどが合わせて語られます。

このシテ、ワキの問答に続きさらに名所教えとなります。南に清閑寺と笛柱の方角を見、北に鷲尾の寺と目付柱の方を見やります。そこから目を転じ、「や、まずご覧候へ。音羽の山の嶺よりも出でたる月の輝きて」と幕の方を見やって、月の出を愛でるところ。地主権現の桜が月光に映えます。

シテ、ワキの掛け合いの謡から「春宵一刻値千金、花に清香月に影」と同吟の謡。春の長閑な雰囲気と、月に映える桜の美しさが謡われます。

この曲、前後にクセがあり、この後はクセの舞になります。
クセを舞終えるとロンギでワキがシテの名を尋ねますが、シテはハッキリと答えないままに田村堂に姿を消した・・・と中入りになります。「内陣に入らせ給ひけり」と謡いっぱいで一ノ松あたりにまで進み、そのままの退場です。

アイ千太郎さんの居語りは、清水寺門前の者で、ワキの尋ねに応じて清水寺の縁起を語り、さらに田村丸の供養を勧めて下がります。
このつづきはまた明日に
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