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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

呼声のつづき

次郎冠者が平家節で「太郎冠者殿、内にござるか、内にござらばお目にかかろう」と案内を乞います。

これに太郎冠者も平家節で「太郎冠者殿、留守でござる。御用ござらば仰せおかれ」と答えますが、これを聞いた主人と次郎冠者はのぞき合い、笑って分かれます。

主人も次郎冠者も、もちろん太郎冠者もですが、だんだんと面白くなって次々に違う節で呼ぶところが見せ場の一つです。
今回の則俊さんの主人は、かなり早くから面白がる様子で、次郎冠者が平家節で呼び出いてみましょうと言うそばから、早くせよとせっつきます。
さらに次郎冠者の平家節に続いて、「今度はそれがしが・・・」と小歌節で呼び出します。

もちろん太郎冠者は平家節には平家節で、小歌節には小歌節で返事をするわけで、これを面白がる太郎冠者、東次郎さんの演技も楽しい。
さて今度は次郎冠者は踊り節で案内を乞い、太郎冠者もこれに答えて踊り節で返事をします。

さてこの踊り節からがこの曲の最大の見せ場で「この度は両人、浮きに浮いて呼び出いてみょう」と、主人と次郎冠者が踊り節で舞台を回り出すと、これにつられて太郎冠者も舞台に出て舞台を回ります。

確か茂山家と、大藏家もそうだったと思うのですが、主人と次郎冠者が舞台を跳ねるように踊り節で回り出すと、太郎冠者もその後を回り出し、三人がぐるぐると輪になって回る形だったと思います。

一方、山本家では主人と次郎冠者が舞台右半分、ワキ座側で回り、太郎冠者はワキ正側で回り、それぞれが別に回る形。しかも最初からかなりのハイスピードでした。
最後は太郎冠者が主人や次郎冠者と鉢合わせ。扇で顔を隠して「太郎冠者殿は留守でござる」と言う太郎冠者に、主人は扇を払いのけで叱責し、逃げる太郎冠者を次郎冠者共々追い込んで留となりました。
(14分:当日の上演時間を記しておきます)
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