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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

邯鄲のつづき

シテの次第。橋掛りでの謡で「浮世の旅に迷ひきて・・・」と謡いますが、いつぞやの盛久の時などとは打って変わって、なんともぼわーっとした定まらない感じの謡です。「ただ茫然と明かし暮らすばかりなり」というシテの詞を聞くまでもなく、謡自体がそのシテの有り様を示している感じを受けます。

道行を謡い「やうやう急ぎ候ほどに、これは早邯鄲の里に着きて候」と詞の後、一足すっと引いて「また村雨の・・・」と雨のために宿を取ろうと述べます。ここはもともと「未だ日は高く候へども・・・」と続くところで、傘之出の小書のために詞章が変わるのでしょうね。

シテは舞台に入りアイに一夜の宿を乞います。アイは傘を受け取り、シテを正中で床几にかけさせて自分は目付に。ここで着座して、シテに邯鄲の枕で一眠りすることを勧めます。

アイはシテ盧生が一眠りする間に粟飯を作っておくと言って狂言座に下がります。シテは一畳台に上がって着座し「げにげにこれなるが聞き及びし邯鄲の枕なるかや」と枕を見「一村雨の雨宿り」と謡います。地謡がこれを受けて「一村雨の雨宿り」と謡い出し、ここで既に幕が開いてワキの一行が静かに橋掛りを進んできます。

「日はまだ残る中宿に」とシテは脇柱の上方に日輪を見る形から枕へ視線を移し、「仮寝の夢を見るやと邯鄲の枕に伏しけり」と横になって寝る形になります。

この間も橋掛りから舞台へと進んでいたワキの勅使とワキツレの輿舁一行。この謡が終わるのに合わせて、ワキがスッとシテに近より、膝をついてシテの枕元を扇で叩いて「如何に盧生に申すべきことの候」とシテを起こします。
シテは茫然と驚いた風で「そもいかなる者ゾ」とワキに問い返しますが、これはもはやシテの夢の中の世界。枕に横になると既に夢の世界が始まっていたわけです。

ワキが正中に下がり手をついて盧生が楚の国の帝になったと告げ、シテは「思いよらず王位にはそも何故にそなわるべき」と問いますが、ここは先ほどより少し声が晴れた感じになりました。
シテは「光り輝く玉の輿」と右手を上げて指し示す形。ワキの「かかるべきとは思わずして」に続けてシテ「天にもあがる」ワキ「心地して」と謡いが続き、シテは立って台を下りますが、「天にも上がる」は先ほどよりもさらに声を張った感じになり、シテの心理の移り変わりが謡の声にさながら現れているような感じです。
さてこのつづきはまた明日に
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