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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

寝音曲のつづき

酒に酔った太郎冠者は、謡えと求める主人に、自分は悪いクセがあって「子持ちが膝を枕にいたいて横になって寝」ないと謡えないと主張します。(子持ちは自分の女房のことですね)

主人はやむなく自分の膝を枕にして謡えと言い、二人が正先近くに寄り添って主人は右膝の上に両掌を重ねて置き、太郎冠者がその掌の上に左の肘を載せて頬を支える形になります。さすがにいわゆる膝枕という形ではありません。しかもこの形がこの後の鍵になってきます。

太郎冠者は「女ども、女ども」などと言いながら主人の顔を撫で、主人がビックリしますが、これは酔って子持ちに戯れついたところでござると太郎冠者の説明。
さて再び膝を枕に寝ながら謡う形になります。

「きこし きこし 小原木召され候へ 小原 静原 芹生の里 おぼろ清水に 影は八瀬の里人 知られね梅の 匂ふや匂ふや 此の藪里の春風に 松ヶ崎 散る花までも 雪に残りて 春寒し 小原木召され候へ 小原木召され候へ」と謡ったと思うのですが、狂言の小謡には詳しくないので、残念ながらこれがなんだか分かりません。
実は「小原 静原・・・春寒し」の部分は、綾子舞の小原木踊の歌と同じだったようなので、そちらをもとに書いてみたのですが、もしかして当日の万作さんの謡とは若干違っているかも知れません。

どうもここの小謡は何を謡うと決まっている訳ではないようなのですが、まずは寝た形のままで一つキチンと謡います。

主人は、起きても謡えそうだ、と太郎冠者に試させるのですが、太郎冠者は声が出ない振り。
やむなく、もう一度、今度はもっと長いものを謡えということになり、再び膝を枕にした形になって、太郎冠者が今度は玉ノ段を謡います。この間に主人は両掌を上げたり下げたり。上げると太郎冠者の声が出なくなり、下げると謡えるということを何度か繰り返していますが、そのうちに上げたのと下げたのを取り違えて、起きたまま朗々と謡い出した太郎冠者。ついには立って謡い舞いする始末。「玉は知らず、海士人は海上に浮かみ出でたり」まで舞い上げ、主人が叱って追い込みました。

この最後のところ、主人が褒める形もありますね。また和泉流では玉ノ段、大藏流では放下僧小歌を謡うのが普通ですが、これも必ずしもこれだけにきまったものではないようで、他の謡を謡う場合もあるようです。
(25分:当日の上演時間を記しておきます)
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