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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

吉野静さらにつづき

静烏帽子に紫の長絹、緋の大口で登場したシテは一ノ松にとどまり、「さても静は忠信がその約束を違へじと、舞の装束ふき繕い、忠信遅しと待ち居たり」と謡います。

あくまでも都道者を真似たワキは、現れ出でた静に法楽の舞を舞うように促します。
シテはワキに都人ならば義経の噂を知っているだろうと問いかけます。集まった衆徒に聞かせようという心。これを受けワキが兄弟仲直りと告げ、衆徒が追跡を思い止まろうとする様子。

ワキはあまり問答を長引かせるのもまずかろうと静に舞を促します。「勝手しらすな静にはやせや、静が舞」でシテは舞台に入ります。
地謡の「衆徒も憤りを忘れけり」で常座へ出、「げにこの御代も静が舞」でイロヱ。

さらに、義経は神道を重んじ、朝廷を敬って忠勤、私心無かった。人が讒言をしようとも神は正直の頭に宿る、とシテと地謡の掛け合いで謡い、クセに入っていきます。

クセは舞グセ。梶原景時の讒言に追われたものの、義経の真に頼朝と仲直りの話。衆徒もいたずらに義経を追って不忠をなし給うなと謡が進みます。
シテの上げ羽から、義経の郎党は精鋭と説き、これを聞いて衆徒は誰一人義経を追おうとはしなかったと謡い舞います。

そして「賎やしづ」の拍不合の謡から中ノ舞。金春流などでは序ノ舞を舞うようですが、宝生では中ノ舞を舞いますね。
舞い上げたシテは「賎やしづ。賎の苧環。繰り返し」と謡い、地謡が受けて、衆徒が静の舞の面白さに時を過ごしてしまったり、義経主従の武勇を恐れて思い止まったり、忠信の謀通りにことが進み、義経は無事に落ち延びた。静も願いが叶って都へ帰ったと留拍子になります。
(54分:当日の上演時間を記しておきます)
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