FC2ブログ

能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

盛久さらにつづき

いささか間が空いてしまいましたが、盛久の鑑賞記の続きです。

床几にかかったシテのサシ謡は、この関東の地まで着き百年の栄華もただ夢、故郷も友人も彼方となり自分一人が鎌倉山に囚われていると、無常の思いを謡い、さらに詞でこのようにして生きながらえていくよりも「天晴疾う斬らればやと思ひ候」と独白します。
シテの独白の謡ですが、力みのない淡々とした謡で、既に未練を断ち切った諦念が感じられます。

このシテの語りにワキが常座に出て盛久への同情を示し、声をかけます。
ワキ土屋の話は、頼朝に下向の由を知らせたところ「急ぎ誅し申せ」との命があったということ。「此暁か」あるいは夜明けか、斬首となる旨が伝えられます。

まだしばらくの時間があることに、シテは清水の観世音を長年信仰し、毎日観音経を読誦していたが、教派まで読誦していない。なにとぞ観音経を読誦することを許して欲しいとワキに頼みます。
ワキがこれを許すとシテが懐中から観音経の巻物を取り出して広げ、祈りの詞を述べて「或遭王様難苦臨刑欲寿終。念彼観音力刀尋段々壌」と観音経を読み上げます。

シテ、ワキの掛け合いの形で観音経の功徳が語られますが、ワキはシテの「実に頼もしやさりながら、全く命のためにこの文を誦するにあらず」の謡のうちに立ち上がってシテの横に寄り添います。
シテがワキに巻物を広げて見せつつ二人で「種々諸悪趣地獄鬼畜生、生老病死苦以漸悉令滅」と経文を読み上げる形。

さらに地謡の下歌、上歌とこれを受けて謡が展開しますが、上歌の「三世の利益同じくは」で太刀持ち、輿舁が立ち上がり、橋掛りへ進んで、太刀取りが二ノ松、輿舁が一ノ松に控えます。

シテが「あら不思議や、少し睡眠の内に新なる霊夢を蒙りて候ふは如何に」と独白し霊夢を見たことが示されます。この「少し睡眠の」のあたりでワキも立ち上がり常座へと進みます。
シテの詞が終わると、ワキは常座で力を入れて「既に八声の鶏鳴いて。御最期の時節唯今なり」といよいよ刑場に向かうことを告げ、輿が差し掛けられて刑場に向かう形。
さてもう一日、明日につづきます

*** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** *** ***
このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてお出での方はお読みいただけると幸いです
関連記事
スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

http://zagzag.blog72.fc2.com/tb.php/786-bc08e587

 | HOME | 

カレンダー

« | 2020-09 | »
S M T W T F S
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 - - -

月ごとに

カテゴリー

カウンター


最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

プロフィールなど

ZAGZAG

頑張らない、をモットーに淡々と行こうと思っています。