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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

通盛のつづき

ツレは若い女の形。喜正さんの能は暫く観ておりませんが、この小宰相という役柄はツレとはいうものの、両シテと言ってもよいような重要な役。思いを込めた演技を見せていただいた感じです。若い女の形ですが、老いの身と謡い、さらにシテ・ツレとワキ僧との問答の謡で、姥と謡われています。

さて、シテとツレの謡で、舟を進めるウチに読経の声が聞こえたので、楫音を静めて聴聞する・・・とワキ僧達の読経の声を聞きつけたことを示します。
ワキは「誰そやこの鳴門の仲に音するは」と、シテ・ツレに声をかけ問答になります。

舟の篝火を頼りに僧が読経し、船中の二人は有り難く聴聞します。謡に随喜功徳品とありますから、ここは法華経第十八品、随喜功徳品を読んだということなのでしょう。
この経文の功徳に、かならずや姥も祖父(オオジ)も成仏出来ようと、二人は歓びを示す形です。

さてワキは話を変え、この磯部に読経するけれども、この浦に果てた平家の人々にはどのような人がいるのか、詳しく聞かせてほしいと問いかけます。
これに答えて、二人は小宰相の局が鳴門の浦に身を投げたさまを謡いますが、自分たちの物語であったかのように、二人も海に姿を消した、と中入りになります。

この中入り。シテは当然退場しますが、ツレは後見座にクツログ形とシテと一緒に中入りする形と両方あります。今回はシテと共に中入りし、後場であらためて登場する形でした。
実は、元々の形では前場では漁翁と姥の形で出て、後場は通盛と小宰相局として登場したのだろうと言われています。先に書いたように、前場の詞章には「老いの身」や「姥」といった言葉があり、漁翁と姥であるほうが納得がいきます。
それがいつの頃か、ツレの中入りを止めて、最初から小宰相局の形のまま出る形に整理されたらしく、確かに謡の上と齟齬が招じてしまう問題はあるものの、この形の方がうるさくない感じがします。

さらに今度は、若い女の形で出て中入りもするという、新しい形が出てきたらしいのですね。こうした変更というのは、他にも結構あるようで、謡の詞章と登場人物の様子が合わないという曲に時々出会いますが、こういうのを見つけるのも一つの楽しみだったりします。
ともかく二人の中入りに代わって登場したアイ浦の者が、ワキの問いに答えて通盛と小宰相を巡って語り、二人の供養を勧めて退場します。
さてこのつづきはまた明日に

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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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