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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

碇潜さらにさらにつづき

観世流の謡本は親切なことに船出之習の際の詞章も掲載されています。なにぶんツレが出たりとか、随分と形が変わりますから、掲載されていると有り難いですね。

出されてきた船は大小前に横向きに置かれてワキの謡。平家の跡を弔っていると大船が浮かんできて、船中からは琴を弾ずる音が聞こえてきたと謡います。

これに応えるように、後ツレ二位尼のサシ「いかに大納言の局、今宵は波も閑かなれば・・・」と引廻しの内で謡い出します。
地謡の「せめては月を松風の」で引廻しを外しますが、後見二人が引廻しの幅一杯に、ちょうど幕のように引き広げたまま「吹くも由なや苫取りて」まで聞いて、幕を下ろすように引廻しを下げると、船の中央部分に床几にかかった二位尼、右手笛座側には大納言局、左手シテ柱側には後シテ知盛の霊が下居しています。

この後、クリ、二位尼のサシ、そしてクセと続き、安徳帝の入水の様が謡われます。床几にかかったままの二位尼がシテのような感じですね。
地謡の最後、「夜すがらくどき給ひしに」の後、調子が変わり「にはかにかき曇り」で三人が立ち上がって、ツレ二人は切戸口から退場。
シテは長刀を取って常座で「すはまた修羅の」と謡い、地謡が「合戦の始まるぞや」と謡って舞働になります。

後シテは三日月の面をつけ、鉢形のついた黒頭に梨打烏帽子で知盛を表しています。この船出之習の際は、舞働をカケリにすることもあるようで、その際は黒垂にし鉢形を着けないと装束付けには記されています。

舞働の後は、謡に合わせて長刀を使い動きの激しい舞。「今はこれまで沈まんとて」で後見に長刀を渡して扇を広げ、「碇の大綱えいやえいやと引き上げて」と正先で綱を引く形から、「碇を戴き」と飛び返って、最後は再び立ち上がって留拍子を踏みました。

前シテは詞章から教経の幽霊のように思えます。しかし後シテは知盛の幽霊として現れ、さらに二位尼による安徳帝入水のくだりと、バラエティに富んだ展開。興味深く拝見しました。岡さんは昨年、経正のシテも観ていますが、切れの良い修羅で、観世流らしい能でした。
(77分:当日の上演時間を記しておきます)
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