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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

正尊さらにさらにつづき

正尊は「鎌倉殿の御使土佐坊正尊とは我が事なり」と名乗り、義経に「とうとう御腹めされよ」と迫ります。

地謡が中ノリで「味方の勢はこれを見て」と謡い出し、義経方の郎等が橋掛りの軍勢に向いて太刀を抜いて構えます。一方の正尊は三ノ松で床几にかかり、姉和がその背後に控えての斬り組になります。

正尊方の立衆が一人ずつ舞台に入り、義経方の郎等に斬られて切戸口から退場していきます。最初の水上さんは斬られた形で下居しそのまま退場しましたが、渡邊茂人さんは飛び安座で、小倉伸二郎さんはとんぼを切っての退場。さらに小林晋也さんが、常座側から橋掛りへ欄干を飛び越えると見所からも驚きの声。五人目の和久荘太郎さんは見事な仏倒れを見せました。
仏倒れや飛び安座など、能らしくない能と言えるかもしれませんが、これもまた能の楽しみの一つと思います。

観世流では本来の演出にはこの斬り組が無かったようで、翔入りの小書がつくと斬り組が入るので現在は起請文、翔入りと二つの小書がつくのが普通です。これがついて今回の宝生流と同じ形ということですね。

さて立衆が斬られてしまうと、「その時弁慶表に進み」と弁慶が長刀を突いてワキ座に進み出、正尊に向かって声をかけます。
姉和が太刀を抜いて一ノ松で名乗った後、弁慶との斬り組になりますが、長刀に払われて倒れ、切戸から退場して、いよいよ正尊が出てきます。

長刀をかい込んだ正尊が舞台に入り、義経と静が太刀を抜いて正尊と切り合い、さらに常座に退く正尊とワキ弁慶の長刀同士のたたかい。
さらに長刀を捨てて組み合い、弁慶が正尊を下に押しつけると、郎等が寄って正尊を引き立ててそのまま幕へ走り込みます。禅師曽我のような展開です。

弁慶が笛座前に立ち、ツレ義経が常座に出て留拍子を踏むという変則的な形での終曲。
宝生流って全般的には地味な印象なのですが、この手の斬り組などはなかなかに動きがあり、この落差も江戸時代に受けたのかも知れませんね。
(59分:当日の上演時間を記しておきます)
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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