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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

杭か人かのつづき

太郎冠者は正中に座し、主の留守にはいつも出掛けていたので、今日ばかりうちにいると足がうじゃうじゃするなどと言い、「いちゃ」が処までは近いと、立って出掛けようとします。が常座まで出て思い止まり、再び正中に戻って語りが続きます。
「いちゃ」は狂言では良く用いられる女の名前でしょうね。

悶々としている太郎冠者ですが、それならいっそ寝てしまおうと横になります。が、寝付けない様子で、横になったまま謡を謡ったり、寝返りを打ったり、なにかとしてみるものの結局眠れません。

ふと思いついたのが、どうにも寝られないのなら、屋敷の夜回りをしようということ。留守を大事にせよと言われていたことでもあり、それならばと棒を持って夜回りに出掛けます。

勇んで出掛けた様子で橋掛りへ進みますが、三ノ松まで行って戻り「暗い」と及び腰になります。このあたりから、太郎冠者の臆病な様子が描写されるところ。自分は臆病者の多い中で、いまだかつて何かを怖いと思ったことはない、などと強がりを言いますが、実は怖くてたまらない様子。このあたりの演技、石田さんの腕の見せ所でして、実に面白いところでした。

一ノ松で隣の家に灯りが見えるといって、隣家に声をかけて注意をしますが、ものも言わずに灯を消した、と驚いたりなどし、さらに舞台に入って夜回りを続けます。

この間に、主が地謡前あたりに出て、扇で顔を隠して立ちます。やがてその姿に気付いた太郎冠者、あれはなんだろうと怖がります。人だろうか、たしかあの辺りには古木の杭があったはずだが、杭だろうかと思案をめぐらしますが、意を決して棒で突いてみようと、人か杭か、杭か人かと主をつつきます。
これに主は「杭、杭」と答え、太郎冠者は「杭だった」と一安心。杭が答えるはずもないので、ここは見所も大笑い。

さて、主は太郎冠者にうつけ者が主の声を聞き忘れたかと叱り、追い込んでの留になります。なかなかに面白い一番でした。
(25分:当日の上演時間を記しておきます)
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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