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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

訴訟をめぐる能楽・・・日本人のバイタリティつづき

さて話はぐるっとめぐって、岩井さんの小説を読んだことから、この数日にわたる文を書くようになったわけです。

「月ノ浦惣庄公事置書」に書かれた話は、正直のところ私としては驚きでした。
もちろん一生懸命という言葉が、もともとは自分の土地を命をかけても守る「一所懸命」から出てきた、といった程度の知識はありましたが、村人達までもが土地をめぐって難しい訴訟を行っていたという話には、奥深いものを感じた次第です。

そうして振り返ってみると、能楽の中にも訴訟自体ではないものの、長期の訴訟に出掛けることが珍しくなかった世相が読み取れます。十六夜日記を書いた阿仏尼も、我が子への土地の相続権をめぐって長らく鎌倉に滞在していたことを思い出しました。

何でも訴える訴訟社会アメリカなどとは違って、日本人は訴訟などを好まず、当事者同士の話し合いで問題を解決したがる、といった論調の話は、山ほど聞いてきた感があります。
もちろん現代アメリカのように、圧倒的な訴訟社会というのとは違いますが、けっして日本人が民俗の特質として訴訟を避けるという訳ではないことを確認したように思います。
最近、ある経済関係の本を読んでいたら、日本人はリスクを避ける、リスクを取らないと言われるけれども、心理学的な実験をしてみると必ずしもそうではない。アメリカ人との間に有意な差はない、といった話に出くわしました。

訴訟への態度といい、リスクの問題といい、どうも一般論として言われる日本人像というのは、本当に正しいのか、と疑問を感じています。
少なくとも歴史的に見ると、現代の日本人が示していると言われる特徴は、民族固有のものかどうか、怪しそうだと思います。
ここでなにかの結論を導くつもりではありませんが、「日本人ってこんな風」と思っていることが、せいぜいここ数十年、下手をすれば十数年に顕在化したものに過ぎないのではないか、そんな風に考えつつ能楽を観てみるのも、また面白いかな、と思う次第です。
この項、終わり。
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