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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

花筺もう一日のつづき

左手に籠を持ち、右手に扇を持っての舞は綺麗ですが、実際に舞うのは難しいだろうなあと想像したところです。「この君いまだその頃は」と左へ回り「皇子の御身なれど」と大小前で扇を差し出すようにして開き、「花を手向け礼拝し」と正中で広げた扇を置いて下居し、扇の上に花籠を置いて合掌します。

「御面影は身に添ひて」と籠を再び左手にとり「忘れ形見までもお懐かしや恋しや」とシオル姿。「陸奥の安積の沼の花がつみ」は常の形では上げ扇のところですが、シオリつつ謡い出し、直して扇をとって立ち上がり、大左右へと型が移っていきます。

さらに「袖にも移されず」といささか俯き加減で正先へ出、抱扇から「水の月を望む猿の如くにて」と目付で扇を上からかざし水をのぞき込む型。ここからすすっと常座まで下がり「叫び伏して泣きいたり」とシオリました。

ここでワキが「車近くに寄り狂うように」と声をかけ、シテは立ち上がって花筺をツレに渡して常座に立ちます。
この後のイロヱは省略されてシテのサシ謡「忝き御例なれども」になり、クセに移っていきます。

クセは漢王と李夫人の別れを謡いますが、これに合わせてのゆっくりした舞。クルイの部分が緩急激しく展開したのに比べ、ここは一言ずつ言い聞かせるような地謡の謡い方です。クセの終わりでシテは常座へ回って下居します。
これにワキが「宣旨にてあるぞ」と花筺を帝に見せるように促し、シテはめでたく帝に再び仕えることとなるわけです。

キリでは「今は還幸なし奉らんと」とシテが常座へ出、子方、ワキが立ってワキツレも従い、ツレもこの後について橋掛りへ進んで退場していきます。
残ったシテは目付へ出、さらにワキ座から招き扇をしつつ橋掛りへ進んで、三ノ松で留拍子を踏みました。

久さんの能は本当に久しぶりで拝見しましたが、大変深い能を拝見することができました。平成16年には日本能楽会構成員として指定されていますが長きにわたる研鑽の結果でしょうし、この日の能を観ると当然のことと感じられたところです。
ツレで出られたお嬢さんの光さんは、この10月には独立記念能をなさるとか。

久さんのお父様になる故鵜沢雅(マサシ)さんは、銕仙会で何度も演能を拝見しましたし、六日に書いたとおり水戸・日立でも稽古指導されていたため、実はほんの少しの間、稽古していただいたこともあるのですが、深い芸の方でした。
記憶ではたしか大藏流小鼓方で人間国宝の指定を受けていた故鵜沢壽(ヒサシ)さんとご兄弟だったと思うのですが、そうするとこの日の小鼓、洋太郎さんと光さんは又従兄弟ということになりますかね。
(74分:当日の上演時間を記しておきます)
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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