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能の花 狂言の花

一観客として、能楽の面白さの一端を伝えられれば、と思っています。 初めてご来訪の方は「はじめに・・・能狂言に寄せて」のカテゴリーをご一読下さい。これまで書いた鑑賞記の索引を載せています。

通小町 雨夜之伝 山本順之(銕仙会定期公演)

観世流 宝生能楽堂 2008.9.12
 シテ 山本順之、ツレ 鵜澤久
  ワキ 工藤和哉
   大鼓 安福建雄、小鼓 幸清次郎
   笛 藤田朝太郎

通小町って割と好きな能の一つなのですが、ベテランの山本さんがどう演じられるのか興味深く拝見した次第です。古作の能を観阿弥が改作した曲とか。

さてまずはワキ工藤さんが名ノリ笛で登場。朝太郎さんの笛は穏やかな印象です。
山城の国八瀬の郷に一夏を過ごしている僧なのですが、毎日、木の実や妻木(薪)を持ってくる女がいるので、今日は木の実の数々を尋ねようと思う旨を述べてワキ座に着座します。

代わって次第の囃子、ツレの女が登場してきます。姥の姿で濃い萌黄系のヨリの水衣を着け、左手に木の葉の入った籠を持っています。先日は花筺のシテで拝見したばかりの久さんです。
現行の謡本では、このツレは連面に紅入唐織の若い女の姿で出て、中入りをせずにシテの出を待つ形で描かれています。ここ数年に拝見した宝生流や金剛流の通小町でも、ツレは若い女として出て、中入りをしませんでした。
しかし中入り前の詞章には「市原野辺に住む姥ゾ」の章句があり、古くは前ツレが老女として出て中入りしたのではないかと言われています。これを意識して、前ツレを老女で登場させたり、老女姿のまま終曲まで演じたりといった演出が試みられているようです。
前ツレの老女姿を「雨夜之伝」の小書と結びつけて解釈する例もあるようですが、もともとは関係ないはずで、今回も小書とは別の趣向だと思いますが、この形を選択するというのも銕仙会らしい演出かなと思った次第です。

登場したツレは常座で鏡板の方を向いての次第謡の後、正へ向き直り、今日も木の実や薪を持ってきた旨を述べつつ正中へ出て下居し、左手の籠をワキの方に置きます。
詞章自体は通常の演出と変わりませんが、謡の声や風情は老女のもの。深い趣があります。
さてこのつづきはまた明日に
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このブログの記載方法などについてまとめています(リンク) 初めてご来訪の方はお読みいただけると幸いです
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